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1ケース10kgの予定が、実際は9.6kg。食品卸の不定貫を請求までつなぐ方法

注文のケース数と、出荷時に量った重量を対応付けて請求します。魚・肉・加工品の例に加え、水揚げ100kgを2社への出荷と保留在庫へ分ける例を掲載。再計量や返品も記入できるExcel・PDF付き。

魚1ケースの予定重量10kgと実重量9.6kgを比べ、実重量で請求する想定例

食品卸の不定貫・ケース単位は、注文したケース数、実際に出荷した正味重量、請求する数量を別々に記録し、出荷を確定したときの計量値から請求を計算します。

たとえば「魚を1ケース」で受けた注文を、出荷後に何kgとして請求するか。予定を10kgとしていたところ、実際の正味重量が9.6kgなら、予定重量のまま請求すると数量が合いません。同じ注文に、1ケース6個入りの加工品があると、重量と個数のどちらを使うかも商品ごとに変わります。建材の本数・長さ・重さのように、一つの品に単位が複数ある場合も同じ悩みが起きます(建材・鋼材・木材の数量管理)。

この計算は、正味重量による従量請求を取り決めた不定貫商品が対象です。不定貫を固定重量で換算せず、風袋込みの総重量と正味重量、定貫商品を混同しないようにします。

以下の魚・肉・加工品と水揚げの数量、単価、番号、日付は想定例です。

商品ごとに、何を数えて請求するか

不定貫は、入数や重量がその都度変わる商品です。GS1 Japanの「GS1標準バーコードベーシックガイド」14ページでは、不定貫商品の物流単位について、商品識別に加えて重量や寸法の情報をバーコードで扱う説明があります。商品が何かという情報と、その出荷分がどれだけあるかという情報は分けて考えます。

まず商品IDごとに、定貫・不定貫、受注単位、出荷時に数える単位、単価単位を決めます。ここでの「個」は最小の取扱単位で、魚は1尾、肉は1ブロック、加工品は1袋です。表の商品IDは、この例で使う照合番号です。

次の表では、魚・肉・加工品を含む一つの注文について、初回出荷後の数量と金額を見比べます。加工品だけを「1ケース6個・1個1kg」の固定内容量とし、魚と肉の予定重量を固定換算の係数にはしません。

魚・肉・加工品の受注数と実重量の比較(想定例)

項目 魚 肉 加工品
商品ID F001 M001 P001
定貫不定貫 不定貫 不定貫 定貫
受注単位数 1ケース 1ケース 1ケース
予定正味重量 10.000 kg 8.000 kg 6.000 kg
出荷個数 4個 2個 6個
総重量 10.200 kg 8.200 kg 6.300 kg
風袋 0.600 kg 0.400 kg 0.300 kg
正味重量 9.600 kg 7.800 kg 6.000 kg
単価単位 円/kg 円/kg 円/個
単価 1,200円 2,000円 400円
請求数量 9.600 kg 7.800 kg 6個
税抜明細金額 11,520円 15,600円 2,400円

表の重量は各明細の出荷分全体を表します。定貫の加工品も比較用に計量していますが、請求数量は実際に出荷した個数から決めます。9.6kgと6個を足して「数量合計」にすることはできません。金額の合計は、同じ通貨・税抜の条件でのみ求めます。

予定と計量値を並べる

受注担当は、受注ID・明細IDに、商品ID、受注単位数、予定正味重量、単価単位を残します。魚の「1ケース・予定10kg」は、出荷の9.6kgで上書きしません。予定は手配の目安、実測はその出荷を説明する記録として並べます。

出荷担当は、出荷ID、出荷個数、総重量、風袋、計量票ID、ロットを記録します。風袋は容器や包装などの重さです。本例は総重量と風袋を同じ出荷分について量り、総重量10.2kg−風袋0.6kg=正味重量9.6kgとします。正味重量を直接出力する秤を使う運用では、さらに風袋を引かないように、取込値の種類を別途設計します。

状態は「未計量→計量済→確定」と進め、疑問が残れば「保留」に戻します。出荷責任者が数量、期限条件、欠品・代替対応を見て確定者と日時を残し、請求担当は確定済みの明細だけを受け取ります。計量値が入っただけでは確定にしません。

テンプレートでは、空欄の重量をゼロと扱わず、風袋が未入力、総重量より風袋が大きい、数量が正でない、確定者がいない、といった場合は請求数量を空欄にします。風袋が本当にゼロなら「0」と入力します。分納する場合は出荷ごとに明細を分け、同じ受注明細へ対応させてください。

実重量から請求額を計算する

正味重量で請求する魚では、請求数量9.600kg×単価1,200円/kg=税抜明細金額11,520円です。予定10kgで計算した12,000円とは480円の差が生じます。

本例は、計量の元値と総重量から風袋を引いた値を残し、請求数量に渡す段階でkgの小数第4位を四捨五入して小数第3位までにします。その請求数量に単価を掛け、明細金額で1円未満を四捨五入します。重量の丸め、表示桁、金額の丸めを同じものとして扱いません。

XLSXの「設定」シートでは重量の小数桁数を3、金額の小数桁数を0としています。取引先との取り決めや計量器の出力精度に合わせて変更してください。税額や値引き、送料の計算は含めていません。

加工品は個単価の取り決めで、6個×400円/個=2,400円です。ケース単価で請求する取引や、定貫品の重量単価、バラ出荷は別の換算条件を要します。添付の計算式は、不定貫×円/kgと定貫×円/個に限定し、それ以外は単位確認で止めます。

請求担当へ渡すのは、数量だけでなく、受注・出荷の各ID、商品ID、請求単位、単価、丸め条件、確定者・日時です。請求IDと「未連携・連携済・発行済」を対応させ、同じ出荷を再び請求に取り込まないようにします。XLSXはこの照合用で、請求書の自動発行や二重取込の自動防止は行いません。

出荷を確定する前の条件

重量が確定していても、取引先の期限条件や代替品の了承がなければ引継ぎを止めます。テンプレートは納品予定日、期限種別、表示期限、最低残日数を残し、日付の差を照合します。本例の魚は到着予定日2026年9月16日、架空の表示期限9月20日、最低残日数3日で、差は4日です。日付の差が条件内でも、食品の安全性を保証する判定ではありません。

残日数を納品日から数えるか、当日を含めるかなどは取引先ごとに聞きます。納品日やロットが変わったら再照合し、受注時の照合結果をそのまま使わないようにします。本テンプレートでは「表示期限−納品予定日」で計算し、必要な日付が欠ければ確定させません。

部分欠品は、元の注文を小さく書き換えず、出荷した数量と残りの扱いを残します。一部欠品となり、加工品を4個だけ出すなら、請求は4個分とし、残り2個が後送・取消・回答待ちのどれかを記録します。これは比較表の確定済み6個とは別の場面です。

代替品では、元明細の受注商品IDを残したまま、代替商品の明細を新設し、両方のID、変更した単価単位、顧客の了承の記録を対応させます。魚の代替品へ元商品の単価や風袋をそのまま流用しません。全欠品は出荷なしの記録として残し、ゼロ数量の確定済み請求に見せないようにします。

再計量や返品があった場合

訂正時は元値を保持し、元受注明細、出荷ID、請求ID、変更前後の数量・金額、理由、計量票や返品の根拠、承認者・日時を残します。請求書の発行前なら未確定の請求データを差し替え、発行後なら元請求と調整記録を対応させます。どちらを使うかを決めずに両方へ反映すると、差額を二重に処理してしまいます。

次は魚の初回請求を発行した後の例です。再計量の総重量10.1kg・風袋0.6kgから9.5kgへ訂正し、その後、合意した返品1.2kgを同じ1,200円/kgで減額します。返品数量も実際に量った正味重量を使い、ケース数から固定換算しません。

魚F001の訂正・返品の照合(想定例)

段階・処理ID 数量 税抜金額 直前との差額
初回請求 9.600 kg 11,520円 —
再計量 C001 9.500 kg 11,400円 −120円
返品 R001 後の差引 8.300 kg 9,960円 −1,440円

返品後の8.3kgは、請求上で差し引いた後の数量です。出荷時の計量値は保持し、再計量と返品を別々の訂正として記録します。単価変更や別の丸め方がある場合は、この単純な差額計算をそのまま使わないでください。

水揚げの箱数と実重量を扱う場合

水揚げ10箱が実測100kgでも、1箱10kgという固定換算にはしません。出荷先A社へ60kg、B社へ35kg、保留在庫5kgと分け、請求には確定した出荷分だけを渡します(想定例)。水揚げからの記録も必要な場合は、次の詳細と既存の漁業の水揚げ・出荷記録を参照できます。

水揚げ100kgの配分・訂正・提出先を追う

水揚げした10箱を9月15日6時20分にまとめて計量し、正味100kgだったとします。一つのロットとして管理し、選別後にA社へ60kg、B社へ35kgを出荷し、5kgを保留在庫として残します。10箱という荷姿と100kgという実測値を別々に保存し、1箱10kgという固定換算にはしません。

水揚げ・選別・分割出荷の照合(想定例、2026年9月15日9時30分時点)

記録・ID 計量時点 正味重量・行先 社内ロット
水揚げ LA-001 6:20 100kg(10箱全体) LT-SEA-001
出荷 SH-SEA-01 8:10 60kg・A社(大) LT-SEA-001
出荷 SH-SEA-02 9:20 35kg・B社(中) LT-SEA-001
保留在庫 9:30 5kg・保留庫A(選別保留) LT-SEA-001
用途変更 9:30の照合時点 0kg・用途変更なし LT-SEA-001

この時点の照合は100=60+35+5+0kgです。出荷担当は出荷ID・出荷先・魚種と等級・計量日時・計量票を記録し、在庫担当は保留量と保管先を残します。用途変更があれば、その量と理由も別に記録します。未計量の出荷や量っていない残量は空欄のままにし、差をゼロや「用途変更」で埋めません。

社内ロットは自社の照合番号です。公的な漁獲番号や荷口番号は、品目・取引が制度対象と分かった場合だけ別欄に記録します。水産庁の「漁獲情報等伝達サブシステム」は、漁獲番号等の伝達や取引記録の作成・保存を支援する仕組みです。この社内表で公式の記録を置き換えることはできません。

水揚げ例でも、請求へ渡すのは実測し、出荷を確定した60kgと35kgだけです。水揚げ全体の100kg、予定重量、保留在庫5kgは請求数量に含めません。数量差の理由が分からなければ引継ぎを止めます。欠品で一部だけ届ける場合の受注残の数え方は、分納・欠品で受注残が分からなくなる原因で扱っています。

水揚げ後の再計量も、旧値・新値・理由・訂正元の計量票を残します。例えばA社向け60kgを59.5kgへ訂正するなら、差の0.5kgを自動的に残量へ足さず、在庫側も再計量して照合します。旧記録を消したり、数量差があるまま確定へ進めたりしません。

提出先への受渡しを確かめる

元の水揚げ記録を漁協・市場・公的システムへ渡す場合は、提出先ごとに次の項目を聞き取って記録します。

  • 受渡し先(漁協・市場・該当する公的システム)
  • 使う元記録と参照ID
  • 受渡し方法と指定形式
  • 同じ記録を既に提出していないか
  • 聞き取った担当者と日付
  • 分からない点と、次に問い合わせる先

指定形式が分からなければ、提出先の回答が届くまで空欄のまま残します。記録を管理表に入力しただけでは、提出済みにしません。

資料を使って、既製品で足りる範囲を確かめる

記入例・空欄版付きのExcel資料では、受注・計量・請求の照合、訂正、水揚げの記録をそれぞれ記入できます。印刷用PDFには、商品の数量比較、訂正票、水揚げの照合表の記入例と空欄版を収録しています。担当者と紙で確認する際に使えます。

まず「空欄版」に代表的な3商品を記入し、受注・出荷・請求担当で確定条件を確認します。「訂正空欄」には1件の再計量または返品を入れて、元請求まで戻れるかを試してください。既製の販売管理で単位の分離、実重量の確定、保留、期限条件、訂正履歴まで扱えるなら、新たな開発を前提にする必要はありません。

秤の出力取込や独自の期限条件、請求への引継ぎが不足する場合は、その部分を整理して設定変更・連携・追加開発を比較します。固定数量の商品を中心に、仕入れ・直送・分納を整える場合は卸売の受発注・販売・在庫管理の開発、水揚げから選別・出荷先までの記録をつなぐ場合は漁業の水揚げ・出荷記録をつなぐシステム開発が関連します。

計量票を出荷ごとに結び付け、再計量前後の差を請求へ反映する記録は、採石・砕石の例でも比較できます(採石・砕石の計量票を出荷と請求へつなぐ方法)。

食品卸の受注・不定貫・期限管理を相談する

参考出典

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