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6mの平鋼から2mを2本取ると、残りは1,994mm。建材の寸法・加工・端材の管理

平鋼1本を切ると、本数と長さはどう変わるか。切った4本を納品し、重量で請求する例を通して、加工前後の数量と予約分を追います。木材・合板にも広げて書ける、3品目の記入例付きExcelを使えます。

6,000mmの平鋼から2,000mmを2本取り、切断ロス6mmと残り1,994mmを確認する。

建材・鋼材・木材の数量は、品番だけで集計せず、材質・等級・寸法で品目を識別し、原材・加工品・端材を分けて記録します。「平鋼が2本ある」と分かっても、6m材と4m材が1本ずつなのか、切断後の短い材なのかで、受けられる注文は変わるためです。平鋼を切る例では、本数・長さ・請求重量をつなぐことで、切断後に残る材と請求に使う数量を追えます。

ただし、鋼材の重量と木材の材積を同じ式にまとめてはいけません。理論重量と実測重量も別の値です。ここでは、加工販売の事務担当者が扱う、長さ方向の単純な切断を例にします。

品番と寸法・等級を区別する

同じ品番に複数の長さが含まれるなら、品番に「材質・等級・断面寸法・長さ」を組み合わせて検索できるようにします。すべてを長い品番へ詰め込む必要はありません。商品マスターの属性と、現物を追う原材IDを分ければ、同じ仕様の材料と、同じ1本の材料を区別できます。

炭素鋼の平鋼で、厚さ16mm・幅25mm、等級欄SS400を例にします(想定例)。長さ6,000mmと4,000mmを各1本、別の材料として登録します。同じ材質でも長さの違いを消して「S01=2本」だけにはしません。切断後は加工品や端材へ別のIDを付け、どちらの原材から生じたかを残します。

受入時は、事務担当が品目候補を登録し、倉庫担当が現物表示と受入資料で材質・等級・寸法を照合する運用が考えられます。図面上の寸法と測った寸法を区別し、不明な等級を外観から埋めません。木材では樹種と等級、必要に応じて乾燥・仕上げ条件も別項目にします。確認できないものは保留にし、確認者と根拠が残ってから加工へ回します。

平鋼1本を切ると、本数と長さはどう変わるか

切断すると本数が増えるため、「原材2本=加工後2本」と照合することはできません。加工IDで原材消費と生成物を結び、同じ断面を保った単純切断なら、加工前後の延長を比較します。加工前の原材数量を残したまま、生成物を在庫へ追加しないようにします。

6,000mmの平鋼1本を、2,000mmずつ2本に切ります。刃幅3mmで2回切るため、残る端材は2,000mmではなく1,994mmです。刃幅は説明用の設定です。

加工前 加工後の行先 長さの内訳
平鋼S-R01:6,000mmを1本 加工品S-P01:2,000mmを2本 4,000mm
同じ原材から生成 再利用端材S-E01:1本 1,994mm
同じ原材から生じるロス 刃幅3mmで2回切断 6mm

6,000=4,000+1,994+6で一致します。形のある端材と刃で失われた分を分ければ、使える材料だけを次の注文へ回せます。

もう一方の4,000mmの原材からは、1,500mmを2本、994mmの廃棄端材を1本作ります。2本分の照合は、10,000=7,000+1,994+994+12mmです。刃で失われた12mmは、形のある端材と分けて切断ロスに記録します。差分を自動で廃棄欄へ埋めず、切断回数、取り違え、未記録の生成物を確認してください。

切った4本が残っていても、次の注文には使えない

「端材かどうか」と「予約されているか」は別の情報です。原材・加工品・再利用端材という区分に、品質判定と予約数量・予約IDを組み合わせます。再利用端材は残っているだけで使用可にせず、寸法や状態を確認した人と保管場所を記録します。

鋼材では加工品4本を一つの注文へ、再利用端材1本を別の注文へ取り置きしています。現物はあっても、新しい注文へ引き当てられる数量は各0本です。予約は在庫から消す処理ではなく、使える現物のうち取り置く処理として管理します。出荷や予約取消の際は、現物数量と予約数量を同じ記録に沿って更新します。

廃棄端材や品質保留の材料は、引当可能数量に含めません。ただし、廃棄予定の現物が構内にある間は、廃棄区画と処分状況を追える記録を残します。引継ぎは、加工担当が生成数量とロスを入力し、倉庫担当が再利用可否を確認し、販売担当が予約先を設定する形にすると、どの確認が残っているかを区別できます。

4本を納品し、21.98kgとして請求する

単位をそろえるとは、すべてをkgへ変換することではありません。現物は本数、寸法はmm、請求はkgというように、用途ごとに単位を決めます。本数は同じでも長さが違えば換算数量が変わるため、保管数量と請求数量を一つの欄で上書きしないようにします。

弥生の公式紹介では、「ふくろう鋼材」に員数・重量・延べ長さによる在庫把握、重量単価での計算、端切れ処理などが紹介されています(出典:弥生「ふくろう鋼材」)。

この例の平鋼は、単重3.14kg/mを参考値に使い、「長さmm÷1,000×本数×単重」で理論重量を計算します。単重は中村鋼材の「平鋼(FB)」単重表で、幅25mmの行と厚さ16mmの列が交わる3.14kg/mを参照しています。別の断面、表面処理、材質へ流用せず、実務では対象材の資料と適用条件を確かめます(出典:中村鋼材「平鋼(FB)単重表」(PDF))。

納品前は、生成物ID・寸法別の本数や枚数と、単価の単位を照合します。鋼材の加工品は2,000mm×2本と1,500mm×2本で4本、理論重量は12.56+9.42=21.98kgです。理論重量で請求する合意がある想定なら、納品数量4本に対応する請求数量候補は21.98kgとなります。原材の重量や、別注文が予約した端材はこの請求に足しません。

計算を確かめるときは、先に長さをmへ直します。2,000mm×2本は4mなので4×3.14=12.56kg、1,500mm×2本は3mなので3×3.14=9.42kgです。合計7mに対して21.98kgとなります。mmのまま単重を掛けた21,980をkg欄へ入れると1,000倍になります。Excelを別の台帳へ移す際は、数値と一緒に長さの単位・単重の単位も引き継ぎます。

実測重量で請求する取引では、21.98kgを実測欄へ転記しないでください。計量値、対象の生成物ID、計量日時・担当者、計量票などの根拠を別に残し、未計量なら請求数量は保留にします。実測値から容器等を除く必要がある場合は、その条件も確認します。

丸めは桁数だけでなく、1本ごと・明細ごと・伝票合計後のどこで行うかを決めます。付属Excelは説明用に「伝票内の数量を合計してから四捨五入」とし、kgは小数2桁、m³は4桁、本・枚は整数の例です。取引先との取り決めが異なる場合は式と設定を変更し、未丸め値も残します。食品のように1ケースごとに重さが違う品では、受注と請求で単位が変わります(食品卸の不定貫・ケース単位の管理)。

木材・合板へ広げるときは、換算する量を変える

木材の例は直方体の角材に限り、「厚さmm×幅mm×長さmm×本数÷1,000³」で材積m³を求めます。兵庫県木材業協同組合連合会の要領にある厚さ・幅・長さの関係を参照し、単位をmmへ換算した式です。同要領の証明業務向けの丸め条件を、一般取引の共通ルールとはしません。丸太や不整形材にはこの式をそのまま使わず、別の検量条件を確認します(出典:県産木材証明事務処理要領(実施2022年6月22日)2ページ5(2)(PDF))。

合板の例は枚数で保管・販売し、面積を求める場合だけ幅×長さを使います。厚さは品目識別に必要ですが、面積の掛け算には入れません。梱包単位で仕入れる場合も、1梱包の入り数を品目ごとに確認します。kg、m³、m²、本、枚の混在した合計欄は作らないでください。

同じ994mmの木材でも、再利用できる端材と、割れがあって廃棄する端材は別です。長さの一致だけで使用可にせず、状態と保管先を確認します。

鋼材・木材・合板の全記録を照合する(表1)

表1 架空3品目の原材・加工品・端材の数量表(説明用の架空例)

項目 S01 平鋼 W01 角材 B01 内装用合板
材質/等級 炭素鋼/SS400 スギ/社内A(架空) 木質(合板)/社内B(架空)
厚さ×幅(mm) 16×25 90×90 12×910
原材ID・長さ×投入数量 S-R01:6,000×1本 / S-R02:4,000×1本 W-R01:4,000×1本 / W-R02:3,000×1本 B-R01:1,820×1枚 / B-R02:1,520×1枚
加工ID S-C01/S-C02 W-C01/W-C02 B-C01/B-C02
加工品ID・長さ×生成数量 S-P01:2,000×2本 / S-P02:1,500×2本 W-P01:1,500×2本 / W-P02:1,000×2本 B-P01:600×2枚 / B-P02:500×2枚
再利用端材ID・寸法×数量 S-E01 / 16×25×1,994×1本 W-E01 / 90×90×994×1本 B-E01 / 12×910×614×1枚
廃棄端材ID・寸法×数量 S-D01 / 16×25×994×1本 W-D01 / 90×90×994×1本 B-D01 / 12×910×514×1枚
切断ロス(長さ) 3mm×2回×2原材 / 計12mm 3mm×2回×2原材 / 計12mm 3mm×2回×2原材 / 計12mm
加工品の理論/実測・換算数量 理論重量21.98kg / 実測重量:未計量 材積0.0405m³ / 重量換算:対象外 4枚/参考面積2.002m² / 重量換算:対象外
保管→販売単位 本→kg / 理論重量で請求する想定 本→m³ 枚→枚
予約・引当可能数量 加工品4本:SO-01予約 / 端材1本:SO-02予約 / 引当可能は各0本 加工品4本・端材1本 / 予約なし / 別区分で引当可能 加工品4枚・端材1枚 / 予約なし / 別区分で引当可能
廃棄の理由(想定) 社内の再利用基準 / 1,000mm未満 割れあり 表面傷

表の寸法はすべてmm、端材は厚さ×幅×長さです。枝番01・02の原材、加工、加工品がそれぞれ対応し、再利用端材は加工01、廃棄端材は加工02から生成します。各原材は全量消費済みで加工後の原材在庫は0です。記録時点は2026年9月15日14:00、加工・予約後、出庫前。等級・判定・予約を含む業務記録は架空です。

表の木材・合板も、それぞれ長さが違う原材を2本・2枚使った例です。木材は加工品の合計延長5,000mmから0.0405m³、合板は加工品4枚・参考面積2.002m²となります。この表の照合は長さ方向の切断に限ります。幅を割く、表面を削る、穴を開けるなど断面や形状が変わる加工は、別の生成明細と損失の記録方法が必要です。

数量表を自社の運用へ当てはめる

記入例・未記入版付き数量管理Excelでは、原材と生成物を入力し、計算・照合・請求の各シートを確認できます。鋼材と木材は納品数量の確認済み、合板は未確認とした例です。「一致」は数量のつじつまだけを示し、品質や出荷の承認にはなりません。未確認欄、予約超過、単位不一致が残るときは、担当者へ戻して確認します。

確認項目を印刷して使う場合は、数量管理チェックシートPDFを利用できます。項目を自社向けに編集する場合は、チェックシート編集用Wordを使ってください。

既製品の標準設定で、寸法別の識別、端材へのID付与、予約、取引先別の単位と丸め条件を表せるなら、まずその範囲で運用を整えられます。一方、加工設備や計量票との連携、複数工程の引継ぎ、承認履歴が必要で標準機能では表現できない場合は、追加開発の検討材料になります。実際の入力例で適合を確認し、機能名だけで判断しません。

まずよく扱う材料を1種類選び、加工前後の長さと、納品書の数量・単位を並べてください。必要な機能を具体的に整理できます。寸法別の受注・加工・在庫管理は建材・鋼材向けの業務システム、原木から製材・乾燥・出荷までの管理は木材・製材向けの業務システムの案内も参考にしてください。木材の材積と鋼材の重量、理論重量と実測重量は、最後まで別の値として扱います。

木材の搬出元まで追う場合は、作業地から山土場、搬出便へ数量をつなぐ記録例が使えます(林業の数量管理|作業地・山土場・搬出先をたどる)。

参考出典

初回の出典確認日:2026年9月15日。平鋼の単重は2026年10月26日に中村鋼材の公開単重表で再確認しました。

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