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生成AIガイド

水や空気の流れをめぐる、長年の難問。2026年9月、OpenAIは内部AIによる解決を報告しました。

内部AIによる研究報告。独立した評価や賞の認定とは区別して紹介します。

身近な流れの中に、数学の難問がある。

?
  1. 水や空気の流れ

    方程式で表す

  2. 滑らかな状態から

    時間がたったら?

  3. ずっと滑らか?

    それとも、式の限界に達する?

流れと数学の問いをつなぐ模式図。研究結果を再現した計算画像ではありません。
難問への挑戦を読む

人類の難問に挑む

人間が解けなかった問題を、AIは解けるのか。

蛇口から落ちる水、空に広がる雲、飛行機の周りを流れる空気。身近にある「流れ」は、ナビエ–ストークス方程式という数学の言葉で表せます。ところが、その式で表した流れが、いつまでも滑らかに続くのか。それとも、途中で数学的に扱えなくなる場合があるのか。長く答えの出なかった問いがありました。

2026年9月8日、OpenAIは、この難問への解決を内部の認識・予測・判断などの知的な処理をコンピューターで行う技術の広い呼び名。システムが生み出したと報告しました。外から滑らかな力を加える条件で、流れの速さが有限の時間内に際限なく大きくなることを示す証明です。実際の水が無限の速さになるという話ではなく、流れを表す数学の限界を問う話です。

2026年9月8日発表|内部AIによる研究報告。CMIは9月11日に評価手続きについて声明。9月16日確認。

ここでAIが挑んだのは、答えの決まった試験ではありません。まだ答えが知られていない問題に対して、筋道を立て、その筋道を確かめられる形にする仕事です。報告では、複数のAIが資料や計算モデルの判断を受けて検索、計算、ファイル編集などを実行する機能。を使って協働しました。普段使う会話サービスに一度質問した結果とは条件が異なります。

ただし、研究者による発表と、数学界での評価が終わることは同じではありません。Clay Mathematics Instituteは9月11日に声明を出し、成果の評価と功績の認定には時間をかけるとしています。9月16日の確認時点で、その声明を賞の認定とは扱えません。

別の分野では、AlphaFold 3がタンパク質やDNAなどの分子が組み合わさる立体構造を予測しています。分子の形が分かると、生き物の働きを調べる手がかりになります。予測だけで薬の効き目が証明されるわけではありませんが、実験で何を確かめるかを考える材料になるのです。

研究の条件と、ほかの科学の事例 →

文章を書くAIと、未知の問題に挑むAI。その間には、どんな仕組みがあるのでしょうか。

なぜ答えを作れるのか

言葉を予測するAIが、なぜ考えているように見えるのか。

「次に来る言葉を予測する」と聞くと、スマートフォンの変換候補を思い浮かべるかもしれません。それだけで、なぜ翻訳やプログラム作成、数学の証明までできるのでしょう。手がかりは、言葉の続きを当てるために、何を学ぶ必要があるかにあります。

「雨が降っているので、出かける前に傘を」という文の続きには、文法だけでなく、雨と傘の関係が関わります。大量の文章から予測を学ぶ過程で、AIは言葉同士の関係や、説明・入力から答えを作る処理。難しい問題では回答時の計算を増やす方法もある。に現れる規則性を捉えていきます。学習で調整された膨大な数値の組が、学習で得た規則性を用いて、入力に対する出力を計算する仕組み。と呼ばれるものです。

仕組みの説明|使える資料・道具や、回答時の計算方法は製品によって異なります。

学んだことに、その場の材料を重ねる。

  1. 学習するとき

    多くの例 → 規則性を学ぶ → モデル

  2. 質問に答えるとき

    質問・会話 + モデル → 回答

  3. 必要な材料を足す

    店の営業案内を検索 → 営業時間を確かめる

学習と回答を分けた模式図。検索や計算は、それらを使える製品での例です。

学習するときと、質問に答えるときは別の過程です。回答するときは、学習済みのモデルが質問や会話の内容を手がかりに続きを作ります。質問のたびに、元の学習資料を一冊ずつ開いて答えを探しているわけではありません。画像などを扱うモデルは、文章以外の情報も入力として使います。

さらに、答えに至る途中の手順を学ばせたり、回答時に複数の方針を検討させたりする方法があります。すぐに結論を出す場合と、途中で計算し直す場合では、同じ質問でも結果が変わり得ます。「次の言葉を作る」という出力の形だけでは、そのために行う計算の全体は言い表せません。

例えば「この店は今、開いている?」という質問。学習した知識だけでは、臨時休業を知らないかもしれません。文書やウェブなどから必要な情報を取り出す処理。モデルに情報を渡すための道具にもなります。で店の案内を読み、現在の日時と照らし合わせれば、答えに使える材料が増えます。モデルの能力、渡した資料、使える道具。この組み合わせが、目の前の答えを作ります。

学習と推論の仕組みを詳しく読む →

では、材料も計算する力もあるAIが、もっともらしい間違いを返すのはなぜでしょうか。

賢いのに間違える理由

天才的なのに、なぜ簡単なことを間違えるのか。

2025年の国際数学オリンピックで、高度版Gemini Deep Thinkは6問中5問を解き、42点満点で35点。金メダル水準に達しました。難しい問題について、自然な言葉で証明を書いた結果です。採点は大会側の基準で行われました。

ただし、これは数学の問題を解くために追加の学習や設定を施した高度版の結果です。大会の各日の制限時間は4時間30分。普段使うすべてのAIが、あらゆる課題で同じ水準にあることを意味しません。試験で測った力と、日々の質問で必要になる力には違いがあります。

IMO:2025年7月21日発表|数学に特化した高度版の試験結果。一般向け製品の成績ではありません。

同じ丁寧な返事でも、根拠は違う。

  1. 元の案内

    参加費は500円です。申込締切は未定です。

  2. もっともらしい返事

    参加費500円で、金曜日までにお申し込みいただけます。

  3. 元情報と照合すると

    500円は一致。「金曜日」は元の案内にありません。

編集部による説明用作例。実際のAI出力や性能測定ではありません。

人なら、難しい数学が得意な人は簡単な事実も正確に答えそうだ、と期待します。しかしAIの能力は、その期待どおりにそろっているとは限りません。推論の手順を組み立てられても、質問に答えるための事実を知らないことがあります。知らないことを、うまく「分からない」と言えない場合もあります。

自然な文章を作れることと、その文章が正しいことは別です。この作例では、返事の調子は丁寧でも、元の案内にない締切を付け足しています。文章だけを読んでいると気づきにくく、元の情報と並べると違いが見えます。これが、もっともらしさだけでは確かめられない理由です。

日付、金額、相手との約束なら、元資料の該当箇所と一つずつ照合する。計算なら、計算式や集計条件を確かめる。人が眺めるだけで誤りを止められるとは限りません。何を根拠に正しいと判断するかを決めると、AIの得意な部分を生かしやすくなります。

試験結果を、条件と一緒に見る →

答えの確かめ方まで含めて設計すると、AIに任せられる仕事は、会話の外へ広がります。

会話の外へ広がるAI

AIが研究や仕事を進めると、人の役割はどう変わるのか。

火星にいる探査車へ、地球から「その岩を避けて」と即座に指示することはできません。通信には時間がかかります。そこで、どこを通るかを事前に考える仕事が重要になります。この経路づくりに、学習した規則性から、文章・画像・音声などを生成するAI。何を入力・出力できるかはモデルや製品で異なります。が使われました。

NASA/JPLは2026年1月、探査車PerseveranceがAIの作った経路で走った実証を発表しました。AIは地形の画像や斜面のデータを読み、途中で通る地点を提案。技術者は仮想の探査車で指令を検証してから火星へ送りました。実際の走行は2025年12月8日と10日です。

2026年1月30日発表|2025年12月の走行実証。生成AIが担当したのは経路の計画です。

火星で走るまでに、三つの役割がある。

  1. AIが経路を提案

    地形画像・斜面のデータから、通過地点を作る

  2. 地上で検証

    技術者が仮想の探査車で指令を確かめる

  3. 火星で走行

    確認した指令を送り、探査車が走る

NASA/JPLの報告をもとにした役割の模式図。実際の経路や地形の再現ではありません。

AIが探査全体を一人で担ったわけではありません。経路を考えるAI、指令を検証する技術者、現地で走る探査車。それぞれの働きがつながっています。人とAIを丸ごと置き換えるかどうかより、仕事のどの部分を誰が担うのかを見ると、この変化が分かりやすくなります。

こうした「情報を集める、道具を使う、結果を見て次へ進む」という作業の組み合わせは、目的に向けて、道具を使いながら複数の作業を進めるAIの仕組み。と呼ばれる仕組みにもつながります。例えば社内報告の作成なら、資料を探し、表を集計し、報告書の人が確認して直す前提で作る文章や資料の候補。を作るところまでが一連の仕事になります。これは応用を考えるための想定例です。

人には、何を明らかにしたいかを決めること、どの材料を使うかを選ぶこと、結果を採用してよいかを判断することが残ります。仕事によって任せられる範囲は異なり、AIの能力向上だけで人の役割が一律に決まるわけではありません。研究の問いを増やしたり、試せる案を増やしたりする使い方も考えられます。

モデルとAIエージェントの違いを読む →

AIがどこまで進むかと同じくらい、人が何を知り、何を実現したいか。その問いが、次に読む話につながります。

もっと知りたいことへ

仕組みや性能、研究の条件、社会の未来。気になる問いから、さらに詳しく。

分からない言葉だけ開けば十分です。本文の最初に出てくる場所からも説明を開けます。

認識・予測・判断などの知的な処理をコンピューターで行う技術の広い呼び名。AIの方法の一つ。データから規則性を学び、分類や予測、生成などに使います。学習した規則性から、文章・画像・音声などを生成するAI。何を入力・出力できるかはモデルや製品で異なります。大規模言語モデル。大量の言語データなどで学習し、文章の生成や理解を扱うモデルです。学習で得た規則性を用いて、入力に対する出力を計算する仕組み。モデルと画面、保存、検索などの機能を組み合わせ、利用者が仕事に使える形にしたもの。文書やウェブなどから必要な情報を取り出す処理。モデルに情報を渡すための道具にもなります。モデルの判断を受けて検索、計算、ファイル編集などを実行する機能。目的に向けて、道具を使いながら複数の作業を進めるAIの仕組み。AIへ渡す指示や前提条件。AIが事実と異なる内容をもっともらしく示すこと。センサーで現実世界を捉え、ロボットや車両の動作につなげるAI。生成モデルを組み込む方式もある。幅広い知的な仕事を行う汎用AI。到達とみなす定義や条件は文書ごとに確かめます。

深掘り 1 / 7 / モデルとエージェント

AIという言葉には、技術の種類とモデルと画面、保存、検索などの機能を組み合わせ、利用者が仕事に使える形にしたもの。の使い方が混ざっています。まずAI・AIの方法の一つ。データから規則性を学び、分類や予測、生成などに使います。・生成AI・大規模言語モデル。大量の言語データなどで学習し、文章の生成や理解を扱うモデルです。の関係を整理し、その上でモデル、検索、道具、エージェントを分けて見ます。
上段はAI、機械学習、生成AI、LLMの包含関係、下段は製品内でモデル、検索、道具、エージェントを組み合わせる関係を示す図
図1|上段は技術の包含関係、下段は製品内での利用関係です。モデルと道具を組み合わせ、回答や作業結果を作ります。
公式発表・公的資料

GPT-6 Astra|考えたことを、文書や表にする

GPT-6 Astraは、OpenAIが2026年9月3日に発表したモデルです。文書・表・スライドの制作や、道具を使う複数工程の作業を紹介しています。ChatGPTやCodexは、このようなモデルを利用する製品です。

  • 発表時は一部組織から開始し、対象プランへ順次拡大すると案内されました。現在の選択可否は利用画面で確認できます。

モデルの名前に加え、使える道具と完成させたいものを比べてみましょう。

読み方の注意

発表時の提供予定を、全員が今日使えるという意味には広げません。

公式発表・公的資料

Fable 5.1とMythos 5.1|名前の違いは何か

Anthropicの2026年9月の説明では、Fable 5.1とMythos 5.1は同じモデルに異なる安全策を組み合わせています。Fableは一般提供、Mythosは信頼された利用者向けのアクセス制度で提供されます。

  • 製品名やモデル名が違っても、共通する仕組みが使われることがあります。

用途と提供条件まで見ると、名前だけの比較より選びやすくなります。

読み方の注意

同じモデルでも、利用できる機能や制限が同じとは限りません。

公式発表・公的資料

Codex|回答を、ファイルの変更や確認につなげる

Codexは、モデルにファイルやコマンドなどを扱う道具と作業環境を組み合わせ、開発作業を進める製品です。2026年2月のアプリ発表では、複数のエージェントによる作業と、人が変更を確認する使い方が紹介されました。

  • 「エラーの原因を調べ、直し、確かめる」といった依頼では、モデルが道具の結果を受け取り、次の操作を選びます。

仕事が終わるまで常に正しく動き続けるという意味ではありません。

読み方の注意

触れてよいファイルと完成条件を伝え、実行結果と変更内容を確かめる必要があります。

公式発表・公的資料

Claude Code|情報収集・操作・確認を繰り返す

Claude Codeの公式文書は、情報を集め、操作し、結果を確認する循環を説明しています。ファイルの検索、編集、コマンドの実行などを通じて、次に必要な作業を選びます。この循環を支えるモデルと、操作を実行する環境は別の役割を持ちます。

  • 検索は情報を取り出す道具の一つで、検索を付けただけで、あらゆる製品が同じエージェントになるわけではありません。
  • 2026年5月発表のClaude for Small Businessは、既存の仕事道具につなぐ用途を紹介。送信・投稿・支払いは承認を求める設計と説明しています。

また、チャット製品にも操作機能が備わる場合があります。

読み方の注意

「会話なら回答だけ、エージェントなら全自動」と名前で決めず、実際に何を操作できるかで見分けます。

深掘り 2 / 7 / 性能の測り方

どのモデルに、どんな問題を、どの条件で解かせたかが結果の意味を決めます。点数だけを自社業務の成功率へ置き換えず、試験が扱っていない作業も考えます。
研究の要点

「AIのIQ」だけでは、仕事への適性は分からない

AIの能力を一つの数字だけで表そうとすると、文章、数学、画像、道具の操作といった違いが見えなくなります。人間向けの心理検査をAIに当てた結果も、その数字をそのまま人間の能力と同じ意味で読めるとは限りません。

  • 2026年の研究は17のLLMについて、性差別・人種差別・道徳の心理尺度と、その場面での応答との関係を検討しています。
  • OpenAIの2025年9月の研究解説は、不確かなときも答えを推測するよう促す評価方法が、もっともらしい誤答につながり得ると説明しています。

これはIQ試験そのものの研究ではありません。

読み方の注意

性能のニュースでは、試験名、対象モデル、道具、制限時間、再試行、採点方法を確かめ、測っていない能力を残して読む姿勢が大切です。

試験結果

東大二次試験|東進の独自採点による結果

東進は2026年3月3日、同年2月25・26日の東京大学二次試験を3モデルで検証した結果を公表しました。対象はClaude Opus 4.6、Gemini 3.1 Pro、GPT-5.2で、文系・理系とも8割を超え、文系数学は3モデルとも満点でした。

  • 問題はテキストと画像で入力し、東進の教科担当者が独自の解答例・採点基準で評価しています。

大学による合格認定や、人間の受験全体を同じ条件で再現した試験ではありません。

読み方の注意

入試問題を解いた結果は注目に値しますが、資料の収集や関係者との調整を含む仕事全体の成功率には置き換えられません。

公開事例・実証

IMO|高度版Gemini Deep Thinkが金メダル水準

Google DeepMindは2025年7月21日、高度版Gemini Deep Thinkが国際数学オリンピックで35点/42点を得たと発表しました。6問中5問を解き、IMO側が通常の採点基準で評価した金メダル水準の結果です。

  • 自然言語を用い、各試験4時間30分という競技の時間条件で行われました。

一方、数学向けの追加訓練を施した高度版による結果で、当時の一般利用者向け製品と同じ条件とはみなせません。

読み方の注意

難しい数学の到達点を示しますが、文章作成、対人調整、現場作業などに同じ成功率を期待する根拠にはなりません。

研究の要点

METR|「人なら何時間かかる課題か」を測る

METRのTH1.1(2026年1月29日)は、主にソフトウェア開発・機械学習・サイバーセキュリティの228課題を用います。50%の成功率に対応する「人間相当の課題時間」を推定する指標で、AI自身の稼働時間や一般業務を連続で任せられる長さではありません。

  • 同資料のClaude Opus 4.5の推定値は320分、約5時間20分です。

8時間を超える31課題のうち、人間が実際に完了する時間を測ったものは5課題で、残りは推定時間を含みます。

読み方の注意

課題構成、人間の時間推定、成功条件に依存するため、特定の仕事で必要な成功率や、自社の作業時間と直接同一視しないでください。

研究の要点

数学の10件|試験の正解から、未知への挑戦へ

OpenAIは2026年8月、内部モデルによる数学・理論計算機科学の10件の解決または大きな進展を報告しました。

  • 人が論文をまとめ、形式的な確認も組み合わせた研究です。10問すべてをAI単独で完全解決したという意味ではありません。

採点できる試験と、研究者が検討する新しい成果では、確かめ方も変わります。

読み方の注意

提供元の研究発表であり、一般製品の再現試験ではありません。

深掘り 3 / 7 / 仕組み

ここでは主に文章を生成するLLMを説明します。画像や音声を生成する方式には別の設計もあり、「次の言葉を予測する」という説明だけで生成AI全体を説明することはできません。
研究の要点

Transformer|文脈の中で関係を捉える

Attentionを使って入力の関係を扱う構造。多くのLLMで使われ、文章以外にも応用されています。は、入力のどの部分をどの程度参照するかを計算するAttentionを使う構造です。文章を扱うLLMでは、文脈をもとに次の文章を処理するために区切った単位。文字、単語の一部、記号などに対応し、1トークンが常に1文字や1語とは限りません。の候補を計算し、生成した内容を踏まえて続きを作ります。トークンは、文字や単語の一部などをまとめた処理単位です。

  • この説明は主に文章を生成するLLMについてのものです。

画像にはノイズを段階的に整える拡散モデルなどがあり、音声にも異なる方式があります。

読み方の注意

Transformerも文章専用ではありませんが、「次の言葉を選ぶ」だけで画像や音声を含むすべての生成AIを説明することはできません。

研究の要点

ニューラルネットワーク|脳から着想を得た計算

脳から着想を得た数理モデル。生物の脳と同じ構造ではない。は、人工的な「ニューロン」をつなぎ、入力を数値として処理する数理モデルです。学習では、例から望ましい出力に近づくよう、つながりの重みなどを調整します。脳を参考にした名前ですが、生物の脳と同じ仕組みを再現したものと考える必要はありません。

  • 学習済みのモデルを使って回答することと、そのモデルを追加で学習させることも別です。

会話の前の内容を参照できるのは、今の入力として渡されている文脈や、製品の保存機能による場合があります。

読み方の注意

会話しただけで、毎回モデルそのものが学習し直すとは限りません。

研究の要点

スケーリング則|規模を増やしたときの経験則

規模・データ・計算量を増やしたときの性能変化を表す経験則。は、モデルの規模、学習データ、計算量などを変えたときの性能の傾向を表す経験則です。2020年の研究は言語モデルの予測誤差との関係を調べ、2022年の研究は、計算予算を一定にした場合のモデル規模とデータ量の配分を検討しました。

  • 「大きくすれば何でも解決する」という保証ではありません。
  • どの指標を、どの範囲で測った関係かが重要です。

データの質や計算資源、費用にも左右され、同じ傾向が将来も続くかは検証が必要です。

読み方の注意

実務では最大のモデルを選ぶ前に、必要な精度、待ち時間、費用を比べます。

研究の要点

回答時の計算|考える時間を増やす方法もある

モデルを学習させるときの計算と、回答を作るときの計算は分けて考えます。OpenAIは2024年9月、推論向けモデルについて、学習時の計算だけでなく回答時の計算を増やすことでも、特定の課題で性能が改善する結果を示しました。

  • 回答を急がず複数の段階を処理する方法は、難しい問題で役立つ場合があります。
  • ただし、待ち時間や費用が増え、長く処理した答えが常に正しいわけではありません。

単純な文章の整形と、条件の多い検討では必要な能力が異なります。

読み方の注意

「長く考えた」との表示より、求めた条件を満たす結果かで評価します。

深掘り 4 / 7 / 科学と現実世界

生成AIの利用は文章に限りません。ここでは研究や開発元の発表を取り上げ、実際に測定・実行した範囲と、今後期待する効果を分けて紹介します。

身近な仕事に置き換えると

紙やFAXの注文を、一つの台帳へ

【説明用想定例】 変わるのは、最初から全部を打つ仕事が、候補を確認する仕事になる点です。手書き、かすれ、訂正、同名の商品では読み違えが起こり得ます。確認と手直しを含めて楽になるかを、実際の書類で少しずつ確かめます。

注文書を読み、取引先名・品目・数量を表へ打ち直す
→ AIの読み取り結果を候補として表示する
同じ情報を何度も転記する
→ 人が注文書と見比べて直してから登録する
誤りが月末に見つかることがある
→ 確認した人と日時を残す

見積書や報告書を、下書きから確認へ

【説明用想定例】 AIが文章を作る機能と、版や確認状況を管理する機能は別です。既存の文書管理で十分な場合もあります。見積書なら、金額、条件、対象範囲を人が確認してから正式なものにし、未確認の下書きが相手へ届かない流れを作ります。

過去のファイルを探してコピーする
→ 使用を認めた過去資料から下書きを作る
メールで修正版を送り合う
→ 下書き・確認中・承認済みを分ける
確定版や確認待ちが分かりにくい
→ 確定した版と判断した人を残す

パスワード・認証コード・APIキーは、会話欄に入力しません。

業務資料は、契約と組織のルールを確認してから使います。

使いどころから道具を選ぶ

迷ったら、普段の業務環境に合わせて選びます。Google Workspaceの職場はGemini、Microsoft 365の職場はCopilotが入口になります。

矢印キーでもツールを切り替えられます。

ChatGPT

まず試す一言

お客様向けの短い案内文にしてください。書かれていない事情は足さないでください

使いどころ

用件を伝わる文章にする

始め方3ステップ

  1. 架空の予定変更について、相手・目的・事実を箇条書きにする。
  2. 「お客様向けの短い案内文にしてください。書かれていない事情は足さないでください」と頼む。
  3. 元の箇条書きと比べ、日付や約束が増えていないかを確かめる。

使う前の確認

ChatGPTは、モデルを使って会話や作業をする製品です。選ぶモデルや使える機能は契約などで変わります。検索を使った回答なのか、渡した文章だけをもとにした回答なのかも意識すると、次に何を確認すべきかが分かりやすくなります。

入力する前に

パスワード・認証コード・APIキーは会話欄に入力しません。業務資料は、契約と組織のルールを確認してから使います。

  • パスワード・認証コード・APIキー・秘密鍵・復旧コード
  • 利用権限のない個人情報・機密情報

出典OpenAI「ChatGPT リリースノート」

Claude

まず試す一言

結論、根拠、まだ分からない点を分け、根拠のページを添えてください

使いどころ

文書の論点を整理する

始め方3ステップ

  1. 公開済みの短いPDFを選ぶ。
  2. 「結論、根拠、まだ分からない点を分け、根拠のページを添えてください」と頼む。
  3. 指摘されたページを開き、要約と原文が合うかを確かめる。

使う前の確認

文書が取り込めたことと、すべての文字や図を正しく読めたことは別です。形式やページ数で扱いが変わるため、大きな表や図の内容が必要なときは、その箇所を読めているか先に確認します。契約内容の判断を任せ切らず、見落としを減らすための読み合わせに使います。

入力する前に

パスワード・認証コード・APIキーは会話欄に入力しません。業務資料は、契約と組織のルールを確認してから使います。

  • パスワード・認証コード・APIキー・秘密鍵・復旧コード
  • 利用権限のない個人情報・機密情報

出典Claude Help Center「Upload files to Claude」

Google WorkspaceのGemini

まず試す一言

この案内の要点を3つにまとめて

使いどころ

普段の文書作業で使う

始め方3ステップ

  1. 管理者が認めた機能が、Gmailやドキュメントなどに表示されているか確かめる。
  2. 公開できる文章で「この案内の要点を3つにまとめて」と頼む。
  3. 元の文章を残して、抜けた条件がないかを比べる。

使う前の確認

WorkspaceのGeminiは、普段の仕事の画面からAIを使うための機能群です。会議メモなどもありますが、利用できる範囲は契約や設定に左右されます。個人向けのGeminiアプリと、会社が契約したWorkspaceの条件を同じものとして扱わないようにします。

入力する前に

パスワード・認証コード・APIキーは会話欄に入力しません。業務資料は、契約と組織のルールを確認してから使います。

  • パスワード・認証コード・APIキー・秘密鍵・復旧コード
  • 利用権限のない個人情報・機密情報

出典Google Workspace「Geminiの利用可能な機能」

Microsoft 365 Copilot

まず試す一言

月別の合計を作り、集計に使った範囲と数式を説明して

使いどころ

表や資料を編集する

始め方3ステップ

  1. 架空の売上表を複製し、元に戻せる状態にする。
  2. 「月別の合計を作り、集計に使った範囲と数式を説明して」と頼む。
  3. 合計、件数、空欄や重複の扱いを元の表と照合する。

使う前の確認

Copilotが数式や表の編集を進める機能は、Word・Excel・PowerPoint内での作業を支援します。見た目だけで判断せず、結果を作った根拠まで確かめるのが試し方の要点です。契約と利用画面で機能を確認し、取り消しや復元ができることも、本番の資料を渡す前に確かめてください。

入力する前に

パスワード・認証コード・APIキーは会話欄に入力しません。業務資料は、契約と組織のルールを確認してから使います。

  • パスワード・認証コード・APIキー・秘密鍵・復旧コード
  • 利用権限のない個人情報・機密情報

出典Microsoft 365 2026年4月22日の発表

公開事例・実証

火星探査|AIが作った経路を、地上で検証して実行

実証の走行日は2025年12月8日と10日で、距離はそれぞれ210メートルと246メートルです。地形の画像と傾斜データを入力に、AnthropicのClaudeモデルが通過地点を生成しました。

  • 地上チームは、指令を火星へ送る前に仮想の探査車で50万超の状態変数を検証したと報告しています。

地上での経路計画、指令の検証、探査車の走行機能を分けて捉える事例です。

読み方の注意

AIが経路を計画し、地上の技術者が検証した事例です。探査全体をAIだけで運用したものではありません。

研究の要点

AlphaFold 3|分子が組み合わさる形を予測する

2024年5月に発表されたAlphaFold 3は、たんぱく質に加え、DNA、RNA、小分子などが組み合わさった立体構造を予測するモデルです。Google DeepMindとIsomorphic Labsの説明では、拡散ネットワークを使って予測構造を組み立てます。

  • 研究者はその予測を、実験で確かめる仮説づくりに利用できます。

分子の構造を予測できることは、薬の効き目や人への安全性を確定したことではありません。

読み方の注意

本稿では開発元の機能説明と用途を紹介し、創薬全体の成功や治療効果を実証した例として扱いません。

研究の要点

WeatherNext 2|天候の複数の可能性を出す

WeatherNext 2は、複数の天候シナリオを作る予測モデルです。原論文では、15日分の予測1系列を単一のTPU v5pで1分弱と説明しています。数百系列すべての合計時間ではありません。

  • 天気の予測は、正解が一つの文章としてすぐ確認できる仕事とは性質が違います。

対象の地域、予測する時間、変数、比較相手によって評価が変わります。

読み方の注意

開発元の測定結果を、すべての天候で従来の予報より正確、あるいは予報業務が不要になったという意味には広げません。

公式発表・公的資料

Gemini Omni|複数の入力を、動画づくりへ使う

Googleが2026年5月29日に紹介したGemini Omniの動画機能は、文章に加え画像、音声、動画などを入力として扱い、動画を作成・編集するものです。複数種類の情報を扱う「文章・画像・音声・動画など複数種類の情報を扱うこと。入力と出力で対応する種類は異なる場合があります。」の例として理解できます。

  • 入力できる種類と、生成できる出力の種類は分けて確認します。

この発表は動画から始まる提供の説明で、文章・画像・音声・動画のあらゆる出力が一度に同じ条件で使えるという意味ではありません。

読み方の注意

紹介動画は提供元のデモであり、自分の素材でも同じ品質になるかは、利用可能な機能と条件をそろえて試す必要があります。

公開事例・実証

物理世界へ|ロボットと研究装置を使う

Gemini Robotics 1.5の発表は、周囲の状況を扱って計画する役割と、ロボットの動作へつなげる役割を説明しています。NVIDIAも2026年7月、日本企業によるCosmos 3 Edgeの開発・活用に関する取組を発表しました。いずれも、製品や研究の対象と提供範囲を確認して読む必要があります。

  • 現実の動作には、センサー、機械の制御、安全な停止なども必要です。
  • Anthropicは2026年8月27日、研究装置とAIをつなぐMHSを研究プレビューとして発表。初期参加の研究機関・製造業が対象です。

環境が次にどう変わるかなどを予測・生成するモデル。現実の理解や予測の完全性を意味しません。は、次の状態や結果を予測するためのモデルを指し、物理法則を完全に理解した証明ではありません。

読み方の注意

デモや連携発表を、あらゆる現場で使える完成済みのロボットや測定済みの導入効果と取り違えないことが大切です。

研究の要点

数学研究|OpenAIが長年の問題への解決を報告

報告の対象は、外から滑らかな力を加える条件を含む、CMIの問題設定C・Dです。静止した滑らかな初期状態から、エネルギーを有限に保ったまま有限時間で特異点が生じるという証明を、論文とLean形式で公開しています。

  • 2026年9月8日発表。一般提供のGPT-6 Astraより高い能力を持つとされる内部モデルで、多数のエージェントが協働しました。
  • CMIは9月11日の声明で、成果の評価と功績の認定を慎重に進めるとしています。

式の問題設定と証明の検証状況を分けて読む必要があります。

読み方の注意

本ガイドは証明を独立検証していません。CMIの9月11日の声明は賞の授与の発表ではありません。解決報告と外部の評価・認定を区別します。

深掘り 5 / 7 / AGI・ASIと予測

幅広い知的な仕事を行う汎用AI。到達とみなす定義や条件は文書ごとに確かめます。、幅広い領域で人間の能力を上回ると想定するAI。何を比較対象とするかは論者により異なります。、AIなどによる技術進歩が急加速し、その先の社会を従来の延長で予測しにくくなる仮説的な転換。知能爆発は、その転換を起こし得る筋書きの一つ。は同じ意味ではありません。どの能力を指すか、何を実現した状態とするかをそろえてから、予測年を読みます。
研究の要点

AGIとASI|まず、何を指す言葉かをそろえる

AGIは、幅広い知的な仕事をこなす汎用的なAIを指す言葉です。ただし、何をもって到達とするかは文書ごとに異なります。OpenAIの憲章は、経済的に価値ある多くの仕事を人間以上に行う自律的なシステムという定義を置いています。

  • ASIは、さらに人間の能力を幅広く上回るAIを想定する言葉です。

個人を上回るのか、人間の大きな組織を上回るのかなど、比較対象もそろえる必要があります。

読み方の注意

製品の新機能や一つの試験の高得点だけから、AGIやASIに到達したと結論づけることはできません。

研究の要点

AGIからASIへの経路は、研究上の仮説

2026年の論考「From AGI to ASI」は、AGIから先の発展について、規模の拡大、方式の変化、再帰的な改善、多数のAIの協調という経路を整理しています。これは、どれか一つがすでに実現し、ASIへの到達が決まっていると実証したものではありません。

  • 計算資源を増やせるか、改善案を検証できるか、現実の実験がどれほど必要かといった制約で、進み方は変わります。

複数の経路が組み合わさる可能性もあります。

読み方の注意

将来のニュースを読むときは、提案された方法、試験で確かめた段階、まだ残る課題を分けると、期待と実証の距離をつかめます。

研究の要点

シンギュラリティと知能爆発は、到来が決まった出来事ではない

シンギュラリティは、技術の進歩が大きく加速し、その先の社会を従来の延長で予測しにくくなるという仮説的な転換を指します。知能爆発は、AIがAIの改善を助け、その改善がさらに次の改善を速めるという筋書きです。両者は関連しますが、同じ定義ではありません。

  • AIがコードを書けるだけで、この循環が際限なく進むと確かめられたわけではありません。
  • 改良の評価、計算資源、実験、実際の運用には時間や制約があります。

「From AGI to ASI」も進展と制約の大きさを未解決の問いとして扱っています。

読み方の注意

予測年を一つの確定日として読むことは避けます。

本人・調査の予測

2027年・2047年・2116年は、同じ質問への最短・最長ではない

2023年の研究者調査では、HLMIについて集約した予測が10%となる年は2027年、50%となる年は2047年でした。全職業の自動化が可能になるFAOLは別の設問で、50%となる年は2116年です。「専門家の意見が90年割れた」という比較にはできません。

  • 回答者は調査全体で2,778人ですが、HLMIは1,714人、FAOLは774人の回答から集約しています。

これは技術的に可能になる時期の予測であり、実際の採用・普及や失業の時期ではありません。

研究者予測比較表
設問確率予測年設問別回答数
全タスクで人間より良く、安価に行う(HLMI)10%2027年1,714人
同じHLMIの設問50%2047年1,714人
全職業を完全に自動化することが可能(FAOL)50%2116年774人
  • 調査:2023年10月11〜24日。2022年に主要なAI研究発表先へ論文を発表した研究者を対象とするオンライン調査。調査全体の回答者は2,778人で、上表は設問別の回答数。
  • HLMIの条件:人間の補助なしで、すべてのタスクを人間の労働者より良く、安価に実行できること。科学活動に重大な悪影響を与える中断がないことを仮定。
  • FAOLの条件:すべての職業が完全に自動化できる状態。人間であること自体が有利な部分を除いて考える。いずれも採用・普及ではなく、実現可能性を尋ねる。
  • 確率は研究者の回答を集約した分布上の値。年はその確率に対応する時点で、確定した到来年や回答者の最短・最長ではない。回答者ごとの予測分布を当てはめて集約しており、単純な予測年の平均でもない。
  • 原著:Graceほか、arXiv:2401.02843v3(2025年10月8日)。第3.2.1〜3.2.3節、第6.3〜6.5節、付録B 表6。
読み方の注意

2025年10月改訂の原著v3に載る、2023年10月の調査結果として、次の表で条件を確認してください。

想定シナリオ

社会の変化|能力が上がることと、仕事が置き換わることは別

AIの能力が向上すると、研究、教育、仕事の進め方が変わる可能性があります。一方、導入には費用、設備、データ、制度、人が使いこなすための準備も必要です。技術的にできることが増えた時点と、社会に広く行き渡る時点は一致しません。

  • 将来を一つに決め打ちせず、「作業の一部が速くなる」「役割の分担が変わる」「大きく自動化が進む」など複数の可能性で考えます。

これは編集部による整理です。

読み方の注意

現時点の事業では、自社の仕事を小さく試し、確認時間や修正量も含めて観察することが、将来の年号だけに頼る判断より具体的な材料になります。

深掘り 6 / 7 / 発言者の見通し

企業のリーダーは、研究や投資を進める当事者でもあります。本人の予測や事業構想は、検証結果や研究者全体の合意とは区別して受け止めます。
本人・調査の予測

Elon Musk|短い時間軸での能力向上を予測

Davos 2026の公式対談記録で、Musk氏は、個々の人間より賢いAIが2026年末、遅くとも2027年に現れ、2030〜31年には人類全体を上回るとの見通しを述べています。ここでの「賢さ」は、東大試験やMETRと同一の採点条件ではありません。

  • AI事業を進める本人の将来予測として紹介するもので、研究者全体の合意や到来の確定を示すものではありません。

発言の年だけを取り出さず、何と比較しているか、能力をどう確かめるかという未確定の点も含めて受け止める必要があります。

読み方の注意

AI事業を進める当事者による予測で、研究者全体の合意や到来の確定を示すものではありません。

本人・調査の予測

孫正義氏|ASIを前提にした経済構想

2026年7月のSoftBank World基調講演を紹介する公式記事では、孫氏が2040年にASI経済が世界GDPの20%を占めるという構想を示しています。AIエージェントが経済活動を担う未来像と、それを支える事業の方向性についての説明です。

  • この割合は、現在の経済統計や測定済みの成果ではありません。

ASIの成立、普及、投資などを前提にした本人の見通しとして読みます。

読み方の注意

研究者調査のHLMIやFAOLとは設問も集計方法も違うため、予測年や割合を同じ尺度の順位表へ並べることはできません。

本人・調査の予測

Jensen Huang|AIをインフラとして捉える

NVIDIAが2026年3月3日に出したGTC開催予告は、Huang氏のAIを重要なインフラとする見方を紹介しています。AIの普及には、半導体だけでなく、電力、データセンター、モデルやアプリケーションまで関わるという視点です。

  • これは開催予告に載った本人の発言で、同月16日の基調講演を確認した記録ではありません。

また、AI向け半導体などを提供する企業の立場からの説明でもあります。

読み方の注意

インフラ投資の必要性を考える材料にはなりますが、個別投資の収益性やAGI・ASIの到来時期を証明するものではありません。

本人・調査の予測

Dario Amodei|早い進展の可能性と、不確実性

Amodei氏は2026年1月の「The Adolescence of Technology」で、広い分野で卓越し、長時間の作業を進める「powerful AI」を定義し、最短1〜2年の可能性に言及しました。同じ段落で、到来は大幅に先になる可能性も認めています。

  • 文章は、技術の機会とリスクにどう備えるかを論じる本人の見解です。
  • 「2年以内に到来が決まっている」という断言ではありません。

独自の能力定義に基づくため、他者のAGI予測と比べるときは言葉の意味から確認します。

読み方の注意

早い進展を想定した備えと、時期に関する確信度を分けて読むことが大切です。

深掘り 7 / 7 / 政府と企業の動き

利用対象の人数、実際に使った人数、使った目的、得られた効果は別の情報です。政策と調査は、対象と情報時点を添えて読みます。
公式発表・公的資料

日本のAI法|研究開発と活用を進める制度

「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」は、2025年6月4日に公布・一部施行され、9月1日に全面施行されました。ここでは、内閣府が示す制度の成立と施行の時点を紹介しています。

  • 国がAIを推進する制度を整えたことと、自社の使い方がそのまま適法になることは別です。
  • 氏名など、特定の個人を識別できる情報。、契約、著作物など、扱う対象に応じて確認すべき条件があります。

このカードは企業ごとの法的判断を示すものではなく、AI政策の動きを理解する入口です。

読み方の注意

具体的な業務へ使うときは、その業務に関係する現行のルールを確かめます。

公式発表・公的資料

人工知能基本計画|実行前の方針と成果を分ける

2026年7月14日の人工知能基本計画は、AIの利用促進、開発力の強化、適切な管理、社会の継続的な変化への対応を掲げています。第1章では、AIが計画・実行・検証・修正を繰り返すエージェント型AIの進展にも言及しています。

  • 計画書の表現は、政府がどこに力を入れるかを示すものです。
  • そこに記載された期待を、すでに測定された生産性の向上と受け取ることはできません。

進捗を追う際は、個別施策の開始、利用の実態、評価結果を別々に確認します。

読み方の注意

企業側では、関係する制度や支援策の正式な案内へ戻る手がかりになります。

公式発表・公的資料

源内|18万人は、利用対象の計画規模

デジタル庁の「源内」の説明では、2026年度に全府省庁の政府職員約18万人を対象に生成AI利用環境を展開する方針を示しています。2026年5月から大規模な試用が始まったことも案内されています。

  • 約18万人という数字は利用対象の規模を示す計画で、全員が日常的に使っているという実績人数ではありません。

利用回数、継続利用者数、仕事の改善効果を表す数字でもありません。

読み方の注意

導入状況を理解するには、「使える人」「使った人」「使い続ける人」と、効果を測った対象を分けて読む必要があります。

公式発表・公的資料

中小企業調査|導入率と導入目的を混同しない

中小機構の2026年3月公表資料は、2025年11月17日〜12月12日のウェブ調査です。対象1万社、有効回収1,668社。AI導入状況の設問は1,647社が回答し、導入済みは20.4%でした。

  • 利用ツールの設問では生成AIが82.6%(回答322社)、導入目的では業務効率化・時間短縮が87.0%(回答331社)です。

設問ごとに分母が異なり、目的の割合は実際に時間が減った割合ではありません。

読み方の注意

回答した企業の結果です。効果を読むときは、別設問の回答数や測定方法も確認します。

公式発表・公的資料

米国AI Action Plan|政策の3本柱

米ホワイトハウスは2025年7月23日、米国AI行動計画(America's AI Action Plan)を発表しました。技術革新の加速、米国内のAIインフラ整備、国際外交と安全保障という3本柱に沿って、政策行動を示しています。

  • これは当時の政府方針を説明する資料です。

データセンター整備や技術の輸出などの方向性は分かりますが、全施策が実施済みであることや、期待した経済効果が出たことを示す報告ではありません。

読み方の注意

企業の事業判断に使う場合は、関係する個別制度や、その後の実施状況を確かめる必要があります。

公式発表・公的資料

米国のAIサイバー対策|枠組みの発足と効果は別

2026年6月2日の米大統領令EO14409は、AIを用いたサイバー防御や、開発企業と政府が協力する任意の評価枠組みを示しました。第3節は、新しいモデルの公開に義務的な政府許可を求める根拠にはしないとも明記しています。

  • 7月14日のGOLD EAGLE発表は、脆弱性の受付や優先順位付けを始めたと説明しています。

制度の発足や運用開始は確認できても、攻撃をどれだけ防いだかという効果測定とは別です。

読み方の注意

AIは攻撃にも防御にも関わるため、性能の発展だけでなく、運用と協力の方法も政策上の論点になります。

代表の見立て

本編は、出典のある事実を土台に書きました。この欄は、AIと毎日仕事をしている一人の実務者としての、代表個人の見立てです。

私は元警察官で、プログラミングは後から学びました。その私がいま、設計から実装、検証までをAIとの共創で進める会社を一人で営んでいます。数年前の自分に話しても、信じなかったはずです。

だから、この1年の触り方が数年後の差になる——これは出典のある事実ではなく、私の賭けです。私はその賭けに、会社ごと乗っています。読み終えたあなたは、まず今日の30分から試してみてください。

NeoLogic 代表 影山湧亮