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注文10個、出荷6個なのに「出荷済み」。FDE型開発で現場と一緒に画面を直す

注文10個、出荷6個、残り4個。一部出荷の画面が変わる前後を比べ、現場での発見を試作と確認につなげるFDE型開発を考えます。変更に伴う費用と契約を確かめる項目も分かります。

注文10個に対して出荷6個の記録と出荷済みの表示を比較する。

FDE(Forward Deployed Engineer)型開発は、エンジニアが現場で業務を聞き、動くものをつくり、担当者が使って確かめ、その結果で直す往復を近い距離で進める開発の進め方です。

たとえば、注文は10個、今日出したのは6個。それでも一覧には「出荷済み」と出ている。事務担当者は全部出たと思い、倉庫担当者は紙の指示書で残り4個を追っている。この出荷業務を例に、現場と一緒に画面を直す進め方を見ます(想定例)。

依頼を考えるときは、誰がどの場面に関わり、何を完成させるのかを確かめます。訪問の頻度、契約方式、費用に含む作業も、具体的に相談する項目です。業務を知る担当者と開発者が、同じ出荷を見ながら画面を直していきます。社内で作るか、外に頼むか、両方を組み合わせるかの判断は、内製・外注・併用の選び方で扱っています。

FDEは業務の理解と実装をつなぐ役割

Palantirは、同社のFDSE(Forward Deployed Software Engineer)を、顧客と直接関わり、同社のソフトウェアを顧客の問題に合わせて構成するエンジニアとして紹介しています。利用者と協力して解決策を実装するところまで、役割に含めています。同社の担当者インタビューは、その働き方を知る一例です。

依頼先を選ぶ際は、業務を聞く人が設計・実装にもどこまで関わるかを確かめます。利用後に現場で困りごとが出たとき、同じ担当者が画面や手順を見直せるかも、提案で確かめてください。

「現場に入り込む」関わり方には、訪問して仕事を見る方法も、離れた場所から画面を共有して一緒に確かめる方法もあります。上記のインタビューにも、当時の感染症対策による在宅勤務の例があります。近い距離で業務を理解するために、どの場面で会う必要があるかを決めると、常駐の要否も考えやすくなります。

出荷状況の画面を現場と一緒につくるなら

この倉庫では紙の出荷指示書と表計算を使い、事務担当者が出荷状況を問い合わせるたびに、倉庫担当者が紙を探しています。作りたいのは、荷物ごとの出荷状況を共有できる画面です。

聞き取りでは実際に迷った作業をたどる

最初は、出荷指示を受け取ってから荷物を渡すまでの手順を見せてもらいます。「出荷済みの一覧が欲しい」という要望だけで画面を決めず、担当者がどの紙を見て、何を判断しているかを確かめます。

一部出荷を全部出荷と取り違えていると分かったら、残りを紙で補う理由を画面の変更へつなげます。

表示する内容 変更前の例 変更後の例
状態 出荷済み 一部出荷
数量 注文10個・出荷6個 注文10個・出荷6個・残り4個
確認担当 表示なし 倉庫担当A。残り4個の出荷予定は未確認

「残り4個」と次に動く担当が見えれば、事務担当者は、すべて発送したという案内をせずに済みます。残りの予定が分からないことも、そのまま表示に残します。

訪問前に、説明する担当者と作業を見る時間帯を決めておくと話を進めやすくなります。説明用には個人名や取引情報を伏せた帳票を使い、実際の業務資料が必要な場合は、共有してよい範囲を先に確認します。

試作で確かめる範囲を絞る

今回は、荷物・一部出荷・残数・確認状況の表示を試します。実際の出荷変更や配送会社への送信は今回の試作に含めません。その範囲で、「この表示から次の作業を判断できるか」を担当者に確かめてもらいます。

ここで「配送会社へ送り状を送る機能も欲しい」という要望が出たら、今回の試作に必要かを話し合います。必要な機能を見つける作業と、依頼する範囲を増やす判断は、その都度つなげて進めます。試作の段階で気づいたことを、すべて同時に開発する必要はありません。

使ってもらうときは普段と違う状況も試す

担当者には、通常の出荷に加え、一部出荷、確認の取り消し、引き継ぎ途中の作業を試してもらいます。「見やすいですか」だけでなく、「この荷物を次に処理する人は、何を見ればよいですか」と尋ねると、使い方の食い違いを具体的に話せます。

修正後は同じ場面をもう一度確かめます。画面を直すだけでは解決しない場合は、担当者の分担や引き継ぎの手順も見直します。完成の判断に使う場面を記録しておけば、何を確かめて合意したかを後から振り返れます。

利用後の改善まで担当を決める

本番で使い始める前に、困ったときの連絡先、修正を依頼する人、改善の優先順位を決める人をそろえます。日々の問い合わせ対応や保守まで依頼する場合は、その作業も見積りと契約で確認します。

動く試作を業務で使える状態へ進める確認事項は、試作・PoC・MVPから本番へ進む条件と見送る条件で詳しく扱っています。

依頼先を比較するときの質問表

「FDE型」「受託開発」「伴走」といった言葉だけでは、依頼できる内容を比べきれません。業務を詳しく聞き、途中で画面を一緒に見て、導入後の改善まで扱う受託開発もあります。同じ仕事について各社に質問し、回答を並べると違いが分かります。

IPAは、モデル契約を通じて、仕様、プロジェクトの進め方、完成時の確認方法などについて、依頼する側と開発する側が共通理解を持つことを促しています。以下の質問表も、その対話の準備に使えます(出典:IPA「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」)。

確認する項目 依頼先への質問
働き方 業務を知る人と実装する人は誰で、どこまで関わりますか。
顧客との接点 訪問する場面と、普段の確認方法・頻度を教えてください。
判断者 機能の優先順位と追加費用を、誰が決めますか。
成果物 画面・手順書・データ・ソースコードは、いつ受け取れますか。
契約方式 どの作業をどの契約で依頼し、完了をどう確認しますか。
費用 開発・改修・保守に何が含まれ、いつ支払いますか。
変更手順 要望が増えたら、範囲・納期・費用をどう決め直しますか。
確認資料 回答は、どの見積書・契約書・作業計画で確認できますか。

作業を指示する人、完成時に確認する内容、受け取るものは、契約の呼び名や訪問回数だけでは決まりません。現場で見つかった「残数と確認担当を画面に加えたい」という変更を、どう扱うか聞いてみます。

回答に「必要に応じて」「柔軟に対応」とあったら、出荷状況の例に戻して尋ねてみてください。「一部出荷の表示を追加したい場合、誰が判断し、追加費用はいつ分かりますか」と聞けば、提案の意味を自分たちの仕事に置き換えられます。

回答の違いを読む架空の例

同じ出荷確認画面を依頼するA案とB案を考えます。いずれも現場の担当者と画面を確かめながら進める想定です。回答は比較のために設定した想定例です。

A案では、開発範囲と完成条件を先に合意し、追加の変更は費用・納期への影響を見積もって、承認後に着手します。

B案では、月ごとの作業計画を決め、変更が出たら当月にできる作業を見直し、翌月へ回すものを合意します。

両案とも業務理解と実装を近づける進め方ですが、追加要望の扱いが異なります。A案では、何を追加とするか、見積りを待つ間に他の作業を進められるかを聞きます。B案では、月ごとの支払いでどこまで進める予定か、途中の成果物をいつ受け取れるかを聞きます。

月ごとの作業費と、完成したシステムの開発費を分割して払う場合も区別します。月額が同じでも、支払いの対象や完了までの見通しは異なります。質問表の記入用と記入例には、こうした回答を並べる欄を用意しています。

編集できる比較質問表(Excel)と印刷用の比較質問表(PDF)には、記入用と架空の記入例を収録しています。

向いている条件と始める前の準備

現場と画面を見ながら決める方法は、「何が必要かをまだ説明しきれない」「担当者ごとに手順が違う」「試してから使い方を決めたい」ときに検討できます。小さな会社でも、業務を説明する人と、変更を決める人が参加できれば相談を始められます。

一方で、完成条件が明確で、途中の見直しが少ない仕事では、その条件を基に範囲と納期を決める方法も選べます。見直しを多く設けること自体を目的にせず、必要な場面に時間を使います。

現場の担当者が忙しく、試作を使う時間を取れない場合は、開始時期や対象業務を調整します。経営者だけで要望を決め、利用者が完成時まで画面を見られない状態では、現場との往復が成立しません。代わりに確認できる担当者を置く、対象を絞るなど、参加できる形を先に整えます。

利用を続けるための担当や手順については、使われないシステムを直す|改善要望の選び方も参考になります。

NeoLogicへ相談するときは

NeoLogicでは、設計から完成まで代表が一貫して対応します。現在使っている資料や画面を基に、困りごと、必要な機能、希望時期を整理します。現場を訪問する場面や確認の頻度は、業務の内容に合わせて相談します。

開発する範囲と完成の確認内容を決め、費用と進め方を合意します。現在の分割プランでは、完成・検収後に残りの開発費を分割して支払います。残額の支払い期間に含む既存機能の改修と、別途見積りとなる新規開発・保守運用は分けて案内しています。詳しくは開発サービスの共通条件をご確認ください。

相談の準備は、いま困っている作業と、実際に迷った場面を一つ選ぶところから始められます。質問表の回答欄は、分かるところだけ埋めておけば十分です。どの場面を一緒に確かめ、何をつくるかを相談していきます。

横浜・神奈川・東京で、現場の帳票や作業を一緒に見ながら進めたい場合は、訪問・オンラインでの開発相談で対応方法をご案内しています。

現場に入る進め方を相談する

参考出典

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