人材派遣・SESの稼働実績は、契約条件の期間ごとに日別実績を対応させ、提出版・相手の確認・社内確定を分けて記録してから、確定した明細だけを請求へ渡します。
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月の途中で単価が5,000円から5,500円へ。派遣・SESの稼働を請求へつなぐ
稼働表のどの版を、どの契約条件で請求へ渡すか。3契約の例で、月途中の単価変更と、修正した実績の確認を追います。請求担当が元の記録へ戻れるExcel管理表と月次チェックPDF付き。
影山 湧亮 / NeoLogic株式会社 代表取締役。元警視庁。現場業務の整理と生成AI活用・Webシステム開発を一貫して担当。

たとえば、8月の稼働は156時間。ただし、前半76時間は5,000円、後半80時間は5,500円の時間単価です。月の途中で単価が変わった契約では、合計時間だけを渡しても請求額は決まりません。どの日の実績に、どの条件を当てるかまで必要です。
月途中に単価が変わる契約で考えます(想定例)。税抜参考額は、76時間×5,000円+80時間×5,500円=820,000円。単純な時間単価、時間丸めなし、明細ごとの円未満四捨五入を条件とし、消費税・経費は別計算です。月額固定や精算幅のある方式は、後段で確認事項を分けます。
2026年8月分を9月4日時点で整理する営業事務の例です。月途中に単価が変わる契約S002を主に、提出版の訂正と、確定した明細の引継ぎを追います。表の「請求確定」は、社内で請求担当へ渡せる状態を指し、請求書の発行済みを意味しません。
案件・人・契約期間を結び付ける
契約類型は契約書と実態で見分ける
厚生労働省のガイド(PDF)は、労働者派遣と請負等を契約形式ではなく実態で区分すると説明しています。準委任によるシステム開発にも、この考え方が適用されます。「SES」という呼び方と、契約上の類型を分けて記録してください。
契約類型、指揮命令、精算条件に疑義がある場合は、契約責任者や専門家に相談します。管理表は、その判断を終えた条件と実績を対応させるために使います。
契約IDと条件の適用期間を分ける
契約ID・人ID・案件ID・契約期間・請求条件・適用日を結び付けます。月途中の単価変更には、同じ契約IDの下に別の「契約条件ID」を設けます。契約期間は契約全体の有効期間、適用期間はその単価を使う区間です。人材紹介のように、稼働ではなく求人と候補者の選考を追う仕事は、人材紹介の求人と候補者の管理例で扱っています。
Sesia公式サイトでは、契約単価・稼働時間の管理、案件受付から請求までの流れ、月別集計や更新追跡が紹介されています。製品を比較するときは、これらの機能に加えて、自社の承認の順番と締め方を再現できるか確かめます。
S002は8月16日から単価が変わります。8月15日までの条件S002-Aと、16日以降のS002-Bを分け、照合した日別実績へ対応させます。
予定と提出実績を分ける
予定時間は要員計画や見込み、提出実績は届いた稼働表の値です。差があれば元の表、受領日、提出版を残し、日別の案件、休憩の扱い、重複を照合して、差が生じた日と理由を確認します。
予定との差は、届いた日別表と照合します。別の契約D001では予定160時間に対して提出158時間です。予定へ数字を合わせず、提出された158時間の内訳を見ます。
給与向けの勤務記録と、顧客への請求対象時間は用途を分けます。ここでの保留は顧客請求への採用に関するもので、勤務事実の記録と給与処理は、それぞれの手順で進めます。
付属Excelは予定・提出・確定実績を別列にしています。未確定の実績と金額は空欄、照合の結果ゼロになった時間・金額は0として記録します。S003は「修正待ち」と対応メモで追います。
確定と修正待ちを管理する
受領、相手確認、社内確定を記録する
「相手確認済み」は、契約で定めた報告確認窓口が対象版の内容を確認し、その根拠を残した状態です。派遣では派遣先、準委任では契約上の窓口を整理します。報告の確認窓口と、作業者への指揮命令の適否は別に判断します。
提出者が表を作り、営業事務が期間・日別内訳・版を照合し、契約上の窓口が内容を確かめます。その後、社内の請求担当者が条件と金額を照らし合わせて「請求確定」にします。兼務する場合も、確認した内容と日付を分けて残します。
| 状態 | 残す記録 | 請求明細への扱い |
|---|---|---|
| 提出済み | 原本参照、提出版、受領日 | 確認待ち |
| 修正待ち | 差戻し理由、修正対象、担当、期限 | 修正版の確認待ち |
| 相手確認済み | 確認版、確認者、確認日、根拠 | 社内確定待ち |
| 請求確定 | 社内確定者、確定日、適用条件 | 対象版・期間を再照合して渡す |
修正版に根拠を対応させる
S002は9月1日にv1を受領し、後半84時間に4時間の二重計上を見つけた想定です。9月2日にv2の前半76時間・後半80時間を受領し、9月3日に相手確認、9月4日に社内確定しました。v1の前半76時間・後半84時間は旧版として保管し、請求にはv2を採用します。
前半の時間が同じでも、報告書全体がv2なら前半もv2を参照します。Excelは提出版と確認版の一致、確認者・日付・根拠、社内確定を点検します。相手確認前の新版が届いたら、その版の相手確認が済むまで保留します。
S003は担当を営業C、回答期限を9月7日として追います。締めまでに確定しない場合は、遅延時の連絡先と請求時期を契約責任者に相談します。
契約開始前の実績が混ざっている場合
3契約目のS003は8月10日開始ですが、提出128時間に8月7日分の8時間が含まれています。別契約の実績なのか、日付・時間の誤記なのかを問い合わせ、修正版を受け取るまで請求への採用を保留します。8時間を機械的に引いて120時間と確定する扱いにはしません。勤務事実の記録や給与処理は、顧客請求の保留とは別に進めます。社内の勤怠と工数、給与計算を一度の入力でつなぐ方法は、勤怠・工数・給与計算のつなぎ方で扱っています。
3契約の期間・提出版・引継ぎ状態を比較する
| 項目 | D001 | S002 | S003 |
|---|---|---|---|
| 類型 | 労働者派遣 | 準委任(本例の契約) | 準委任(本例の契約) |
| 人ID/案件ID | P001/J001 | P002/J002 | P003/J003 |
| 契約期間 | 2026/8/1〜8/31 | 2026/8/1〜9/30 | 2026/8/10〜9/30 |
| 対象月 | 2026年8月 | 2026年8月 | 2026年8月 |
| 予定時間 | 160時間 | 前半80/後半80時間 | 120時間 |
| 提出実績 | 158時間(v1) | v1:76+84時間/v2:76+80時間 | 128時間(v1・未確認) |
| 確認版/確定実績 | v1/158時間 | v2/前半76・後半80時間 | なし/未確定 |
| 請求担当への引継ぎ状態 | 請求確定 | 請求確定(v1は旧版) | 修正待ち |
| 請求条件 | 3,500円/時間 | 前半5,000円/時間/後半5,500円/時間 | 4,800円/時間 |
| 適用日 | 8/1(8/31まで) | 前半8/1(8/15まで)/後半8/16(9/30まで) | 8/10(9/30まで) |
| 税抜参考額 | 553,000円 | 380,000+440,000=820,000円 | 保留(未確定) |
| 次の対応 | 確定版を請求担当へ | 新旧条件を分けて引継ぎ | 8/7の8時間を要確認/担当:営業C/期限:9/7 |
確定した時間に、その期間の単価を掛ける
確定実績にその区間の条件を当てる
請求担当へ渡す項目は、明細ID・契約ID・人ID・案件ID・対象月・実績期間・確認版・時間・単価・金額・確認根拠です。D001は158時間×3,500円=553,000円。S002は変更前76時間×5,000円=380,000円、変更後80時間×5,500円=440,000円と区間ごとに計算します。
| 明細ID | 契約・条件 | 確認版 | 確定時間 | 税抜参考額 |
|---|---|---|---|---|
| R001 | D001-A | v1 | 158時間 | 553,000円 |
| R004 | S002-A(8/15まで) | v2 | 76時間 | 380,000円 |
| R005 | S002-B(8/16から) | v2 | 80時間 | 440,000円 |
| 合計 | 請求確定した3明細のみ | — | — | 1,373,000円 |
計算対象は、表の確定した3明細です。訂正前の2明細と、修正を待つ1明細は履歴に残して集計から外します。
Excelの「請求明細」シートは、条件を満たした行を数式で抽出します。状態が「請求確定」でも、期間不適合、版不一致、確認根拠や必須項目の欠落があれば保留します。原本の内容と確認記録は担当者が照合して入力します。
精算幅と端数処理を契約ごとに決める
月額固定、精算幅、超過・控除単価、途中参画の日割り、時間外の区分がある契約には、合意した条件に沿う別の計算が必要です。精算幅は、基準の報酬を適用する時間の範囲です。幅を外れた場合の計算や、月途中の按分、時間の丸め、金額の端数処理、消費税・経費を確認してください。
付属Excelの自動計算は、単純時間単価・時間丸めなし・明細ごとの円未満四捨五入に限定しています。対象外の請求方式は保留し、必要な計算条件を整理してから扱います。
請求担当へ渡した明細と条件の控えを保存し、請求書ID・発行日・発行状況は別に管理します。「請求確定」は社内の引継ぎ準備が整った状態です。発行後の修正は、保存した控えと照合して処理します。
契約変更を翌月へ反映する
変更受付日、合意日、適用日は別に残します。S002は8月10日に変更を受け付け、8月12日に合意し、8月16日から新単価を適用する設定です。8月分は前後半に分け、9月分は9月30日まで有効なS002-Bを参照します。追加の合意があれば、適用日からさらに条件を分けます。
D001は8月31日で契約終了のため、更新が決まってから9月分を作成します。S003は9月も契約期間内ですが、8月分の修正待ちは対象月を8月のまま追います。後日修正するときは対象月・採用版・調整理由を残し、既発行分との二重計上を照合します。
既製品と追加開発の範囲を比べる
まず自社の3契約程度を匿名化し、契約期間、月途中の変更、版、差戻し、保留を再現してみます。標準機能と報告窓口・締め方の整理で対応できるなら、既製品を使う選択肢があります。
顧客ごとに承認の順番が異なる、既存の勤怠や給与を使い続ける、複数システムで契約IDを対応付ける必要がある場合は、その受け渡しを連携や追加開発の候補にします。派遣の契約・配置・稼働を中心に検討する場合は、人材派遣の管理システム開発で相談範囲を確認できます。
相談前に、匿名化した契約条件、提出表と修正版、報告窓口の一覧、請求へ渡したい項目をそろえます。専門家の判断を終えた契約条件を、システムでどう扱うか整理してください。
管理表と月次チェック表を使う
管理表には記入例と空欄版があります。契約条件は20行、稼働明細は40行の入力範囲です。行を増やす際は数式と入力チェックの範囲も延長してください。月次チェックPDFは記入例と空欄版の2ページです。
交代を含む配置単位で請求する業務には、施設警備の実績と契約条件をつなぐ記入例もあります(警備の配置変更を月次請求へつなぐ実績の整理)。
参考出典
出典確認日:2026年9月15日。製品説明と契約区分の考え方を参照しています。


