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車は1台、計量票は1枚、請求は2回。廃棄物収集の計量を請求につなぐ方法

契約が重量単位か回数単位かで、請求に使う数量が変わります。回収と計量票を突き合わせ、混載、計量待ち、締め後の訂正を整理。法定記録と請求の役割を区別して書ける、見本・空欄版のExcel付き。

一台の回収車と一枚の計量票から二つの請求が生じる記録を照合する。

廃棄物収集の計量実績を請求に使うには、契約の版と請求単位(重量・回数など)を先に決め、回収と計量の根拠がそろった明細だけを確定します。

たとえば、1台の車で工場と倉庫を回り、計量票は1枚。それでも契約が「引渡しを確認した1現場の訪問につき1回」なら、請求に使う回数は2回です。計量票の枚数、車の台数、契約上の回数は一致するとは限りません。

重量契約では、どの回収分を測った重量なのかも確かめます。

重量で請求する契約と、回数で請求する契約を比べます(想定例)。同じ市内で回収・搬入が完結する、特別管理産業廃棄物に該当しない廃プラスチック類を対象とします。一般廃棄物、自治体の料金制度、許可・委託契約の法定要件は、別の基準で扱います。金額は税抜で、対象期間は2026年8月1〜31日、表示値は8月31日の締め時点です。

回収する工場と、請求する本社を結ぶ

まず、排出元、実際に回収する現場、請求書を送る相手を別の項目にします。A成形のA工場で回収しても、請求先はA成形の本社です。現場の略称や会社名が似ていることだけで、請求先を選びません。契約確認者が、契約書等の根拠と各IDの対応を確認します。

重量契約の処理単価は、7月31日までは18円/kg、8月1日からは20円/kgとします。8月5日の回収にはv2を使い、過去の単価を上書きせず、有効期間と版を残します。単価の適用日は、本例では回収日と合意したものとします。

表1 契約と取引先の対応(想定例)

契約ID・版 排出元/回収現場 請求先 適用する期間
C-W01・v2 A成形/A工場 A成形 本社 2026/8/1〜12/31
C-R01・v1 B製作/B工場・B倉庫 B製作 本社 2026/4/1〜2027/3/31

品目や廃棄物区分が契約と合わない場合は、単価が見つかっても確定しません。対象品目、対象現場、単価の有効期間、追加費用の条件まで照らし合わせ、不一致は契約担当へ戻します。

2現場を回って、計量票が1枚になる場合

回収記録には回収ID、日付、現場、回収済みかどうかを記録します。計量原記録には計量ID・版、計量日、総重量、風袋、正味重量、原票の参照先を残し、別の対応表で両者をつなぎます。風袋は車両など荷以外の重量で、正味重量は総重量から風袋を引いた値です。計量前の予定数量は実績と分け、未計量を0kgと入力しません。

A工場の8月5日分は、総重量6,800kg−風袋5,600kg=正味1,200kgです。一方、8月12日は1台でB工場とB倉庫を回り、計量票は1枚、合わせて800kgだったとします。2現場の回収記録を同じ計量票へ結び付けますが、800kgを2回加算したり、根拠なく400kgずつ割り振ったりしません。記録番号の対応は表3にまとめています。

混載した重量を顧客別・現場別の重量請求に使うなら、個別に特定できる記録や、実態と整合する合意済みの算定条件が必要です。対象が分からない重量は保留し、計量・回収担当に確認します。1回の回収を複数回に分けて計量した場合は、対象部分が重複しない計量票をまとめます。再計量は分割とは違い、旧版と新版の両方を足さず、採用版と理由を記録します。採石・砕石の出荷でも、計量票の再計量と採用版を同じように扱います(採石・砕石の計量票を出荷・請求へつなぐ方法)。

台数、訪問回数、重量は別の数量です。本例のB契約では「1現場で引渡しを確認した訪問1回」を1回収と定めているため、車両が1台でも回収は2回です。ここで使う2回は、計量票の枚数から作る数ではありません。

契約・回収・計量の根拠を照合し、明細ごとに確定または保留を判断する流れ。重量契約1,200kg、回数契約2回を採用し、P-102は保留。

図1 契約・回収・計量から請求確定へ進む流れ(想定例)

処理料はkg、運搬料は回数で計算する

数量を決める前に、費目ごとの単位を見ます。同じ回収でも、運搬料が回数単価、処理料が重量単価という契約なら、請求明細を分けます。本例の条件は次のとおりです。追加費用はいずれも合意なしとし、請求には加算しません。実際には待機、時間外などの費用について、発生した事実と契約上の条件をそれぞれ確認します。

表2 請求単位と費目の比較(想定例)

項目 C-W01・v2:重量契約 C-R01・v1:回数契約
処理料のkg単価 20円/kg 本例では対象外(別契約)
運搬料の回数単価 5,000円/回 6,000円/回
採用する数量 処理:確定した正味kg/運搬:確認済みの回収回数 引渡し確認済みの現場訪問回数
単価の適用日/締め 回収日/月末締め 回収日/月末締め
追加費用 合意なし・加算しない 合意なし・加算しない

重量契約:計量値を採用して、運搬料とは別に計算する

A工場の8月5日分は、処理料が1,200kg×20円=24,000円、運搬料が1回×5,000円=5,000円です。合計29,000円ですが、処理料と運搬料を一つの数量列で計算しません。kg単価と回数単価を別列にすれば、kgを回数単価に掛ける誤りを見つけやすくなります。

回数契約:引渡しを確かめた2回を採用する

B工場とB倉庫の運搬料は、それぞれ1回×6,000円=6,000円、計12,000円です。2現場から回収した計800kgは参考記録として残しますが、この運搬料の算式には使いません。B契約の処理料は別契約で、このシートの集計対象外です。回数契約でも、重量は契約や法定管理に必要な記録として残します。

容積単価なら容積の測り方と単位を、月額定額なら対象月、含まれる回収範囲、超過条件を決めます。容積を一律の密度で重量に換算したり、月額を回収日ごとに重複計上したりしません。

表3 重量契約・回数契約・計量未確定の照合例

回収・計量の対応 請求明細 採用数量・単価 金額・状態
R-101/W-101・v1 P-101:処理料 1,200kg × 20円 24,000円・確定
R-101/W-101・v1 T-101:運搬料 1回 × 5,000円 5,000円・確定
R-102/W-102:計量票未着 P-102:処理料 数量は空欄/20円/kg 金額は空欄・保留
R-102/W-102:計量票未着 T-102:運搬料 1回 × 5,000円 5,000円・確定
R-201/W-201・v1 T-201:B工場の運搬料 1回 × 6,000円 6,000円・確定
R-202/W-201・v1 T-202:B倉庫の運搬料 1回 × 6,000円 6,000円・確定

確定分は46,000円です。保留中のP-102と、B契約の別契約処理料は含めません。W-201の800kgは2現場に対応する参考値で、運搬料の計算には使いません。

計量票が届かない分と、締め後に訂正する分

8月28日分は回収済みですが、締め時点で計量票が届いていません。処理料の数量と金額は空欄にして、計量票を待ちます。前回の重量を流用したり、仮の0円で「確定」にしたりしません。契約が運搬料と処理料の個別確定を認め、回収の根拠がそろうという本例の条件では、運搬料T-102の5,000円だけを確定します。

P-102は計量担当へ判断を戻し、原票・回収との対応・採用数量がそろってから請求担当が判定し直します。

解除するときは、誰が何を確認したか、確認日、採用する計量版、請求対象月を残します。締め前なら判定後に対象明細を更新します。締め後なら、発行済み請求と元の採用値を残したうえで、訂正や次回調整の方法を契約・取引先との取り決めに照らして決めます。保留を翌月へ移しただけでは、照合は終わりません。

A工場の8月5日分を、締め後に訂正する例です。9月3日、W-101の風袋の転記訂正が判明し、v2で正味が1,180kgになったとします。P-101の差額候補は(1,180−1,200)kg×20円=−400円です。8月締めの24,000円は上書きせず、訂正履歴ADJ-101に元明細、旧・新計量版、理由、計量確認者、契約確認者を残します。差額を算出しただけでは減額確定ではなく、運搬料5,000円にも自動で影響させません。

請求状態の「保留・確定・調整候補」は、法定記録の処理状況とは分けます。日本産業廃棄物処理振興センターのJWNET「紙マニフェストとの運用比較」は、運搬終了、処分終了、最終処分終了の確認をそれぞれ説明しています。請求担当が明細を確定したことをもって、これらの確認済みに置き換えない運用にします(出典:JWNET「紙マニフェストとの運用比較」、排出事業者の処理終了確認)。

既存ソフトから、確定した明細を渡す

専用システムの利用も選択肢です。JEMSの「計量」ページでは、指示計とパソコンの接続による重量値の取込み、顧客と契約書・許可証情報の紐付け、受付・配車など関連業務の機能が案内されています。利用中の製品で必要な項目を扱えるか、まず確認してください(出典:JEMS「計量」、業界専門の計量機能、営業・契約、受付、配車)。

新しい台帳を作る前に、契約情報はどのシステムを正本とするか、計量原票はどこに残るか、確定明細を販売管理へどの項目で渡せるかを調べます。必要なのが既存機能の設定なのか、出力データの照合なのか、追加開発なのかを分けて考えます。CSVやAPIの有無、出力項目、訂正の反映、権限は、利用中の製品・版・契約で個別に確認してください。

記録の役割と受渡しの設計例

残す記録・役割 照合側で扱うもの
契約・顧客管理 契約ID・版、現場、請求先、単価の有効期間
回収・計量管理 回収ID、計量ID・版、単位、原票参照先
請求準備・販売管理 明細ID、採用数量、単価、確認者、保留理由
マニフェスト等の既存法定管理 必要な参照先と確認担当。請求状態で更新しない

同じ契約や重量を二つの台帳で自由に変更できる状態は避けます。原記録の訂正は正本側で行い、照合側には参照IDと採用版、差異の理由を残します。再取込み時も、元システム名・明細ID・版で重複を識別できるか確認します。

照合用の記入シートを使う

まず、一回収分の契約、計量票、請求明細を並べ、数量の単位が一致するかを見てください。記入例を参考に、「空欄版」へ自社の明細を入力します。kgは0以上、回数は1以上の整数、単価は0以上で入力してください。確定には根拠の確認と請求確定者も必要です。未入力や不正な値は「要確認」、保留中の金額は空欄になります。kg・回以外の単位は「単位要設定」と表示されます。

自動計算する単位はkg・回です。税額・端数処理、容積・月額定額の計算は含めていません。訂正履歴は差額候補を求めるためのもので、減額を確定する機能ではありません。

許可、委託契約、マニフェストなどの法定管理は、従来の記録と手続きで行ってください。このExcelで置き換えることはできません。

既存ツール間の照合が残る場合

契約・計量・販売管理の間で照合作業が残る場合は、使用中のソフト名、出力項目、匿名化した保留例を整理すると、補助する範囲を検討しやすくなります。

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参考出典

出典確認日:2026年9月15日。JEMSは重量取込み・契約・関連業務の機能説明、JWNETは運搬・処分・最終処分の終了確認を参照しています。

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