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売約済みで在庫表から消した車が、まだ店にある。中古車の在庫・商談・納車準備

同じ車に複数の商談があっても、売約を確定する条件は一つにそろえます。2台の例で、車の所在、販売状態、整備・書類・入金を点検。納車延期や取消、掲載停止の反映待ちまで記入シートで追えます。

売約済みの車両を、商談・契約・納車準備の記録と照合する。

中古車の在庫・商談・納車準備は、同じ車両IDの記録から、車の所在、売約の状態、納車準備の進み具合を別々に見られるようにして分けます。

たとえば「売約済みなので在庫表から消したが、車はまだ店にあり、書類もそろっていない」。このような扱いをしているなら、販売できるかを示す欄と、納車まで追い続ける記録を分けます。売約後も車両の管理は続きます。

商談があるだけで売約済みにせず、入金済みだけで納車可能にもしません。営業・在庫管理・納車事務で使う管理例として、記録と担当の分け方を整理します。

2026年9月15日10時時点の2台で比べます(想定例)。店内の現車は2台、新しく提案できるのは1台。売約車の納車準備は、まだ終わっていません。

見る状態 売約済みのV01 商談中のV02
現物の所在 店舗Aにある 店舗Aにある
新しい顧客への提案 不可 商品化確認済み・確保制限なしで可
納車準備 整備・全額入金は確認済み。書類待ちで保留 未契約。準備は未着手

車両と商談を分け、売約後も所在を残す

車両台帳は1台につき1行とし、車両ID、車台番号、車名・型式、所在などを記録します。車名だけでは同じ車種を区別できないため、以後の商談・契約・作業は同じ車両IDを参照します。外注先へ移したときは所在を更新し、売約しただけでは車両行を削除しません。

一方、顧客別の希望条件、見積り、次の連絡、担当者は商談の記録です。売約車には、当初2件の商談がありました。一方が契約へ進んだら、もう一方は「終了(他商談で売約)」として履歴を残します。商談の取消・終了は、車両を削除せずに記録します。

ディーアイシージャパン「車両販売システム」は、商談状況と入出庫状況のステータス管理を案内しています(出典:ディーアイシージャパン「車両販売システム」)。以下の複数商談や売約ルールは、店舗での運用を考えるための例です。

この例の「販売可能」は、新規提案が許可されている状態です。現物の台数や、会計上の棚卸資産とは区別して数えます。

現車は2台(想定例)、販売可能はV02の1台。V01はD01から契約C01へ進み、D02は終了。整備と入金確認が済んでも書類待ちで納車保留。延期は予定を変更し、取消は承認・費用・車両状態を確認してから提案と掲載の再開を判断する。

図1 売約しても、車両と納車準備の記録は残す(想定例)

申込・契約・入金を分けて売約を確定する

売約確定は、店舗が決めた社内管理上の条件で記録します。申込受付日時、契約の確認状況、入金の確認状況を別項目にし、どの段階で他の顧客への提案を止めるかをそろえます。契約の法的な成立時点は取引ごとに判断します。

例えば「申込中は担当者の判断で提案を続けず、営業責任者に相談する」「店舗で定めた契約確認を終え、責任者が承認したら売約済みにする」という運用にします。申込の保留期限、見直す担当、不成立時の解除条件も決めます。期限を過ぎた場合も、解除条件を確認してから販売可能へ戻します。

売約確定には、採用商談ID、契約ID、確認者、確定日時、根拠となる記録を残します。契約に進んだ商談を車両へ結び付け、新しい提案を止めます。もう一方の商談には、終了と顧客連絡の結果を記録します。同時に申込が入る場合は、最新の確保状態を責任者が再確認して一方だけを確定します。表計算の色分けだけでは同時確定を防げない点も、道具を選ぶ条件です。

納車準備は担当と完了根拠をそろえる

営業の「契約済み」と、納車事務の「書類待ち」は両立します。表1は車両ごとに状態を照合する見本です。商談は別表で1商談1行、準備は契約IDごとに1確認項目1行とし、一覧には照合結果を表示します。車両の台数は車両台帳から数え、複数の商談による二重計上を避けます。

2台の商談・契約・納車準備を照合する

表1 2台の車両状態を照合する記入例(想定例/2026年9月15日10:00時点)

項目 V01|売約後の準備 V02|商談中
車両ID V01 V02
車台番号(架空) DEMO-0001 DEMO-0002
物理的な所在 店舗A 店舗A
商談ID・状態 D01:契約済み/D02:終了(他商談で売約) D03:交渉中
契約ID C01 未契約
売約確定/新規提案 確定/不可 未確定/可
掲載状態 停止依頼済み・反映待ち 掲載中
整備状況(納車準備) 完了・作業報告M01 未着手
書類 不足資料の受領待ち 未着手
入金確認 契約金額の全額照合済み・P01 対象外(未契約)
納車予定 2026/09/20(予定) 未定
納車実績 未納車 未納車

売約車の作業報告は整備担当、入金記録は経理担当が確かめています。書類担当は不足項目、依頼先、次回確認日を記録し、資料を受領した後も、その取引で必要な手続が済んだかを確かめます。用品は「対象外」でも理由と確認者を残します。各項目に担当者、目標日、確認日時、根拠番号を添えると、未完了の引継ぎ先が明確になります。

同じ売約車を見るときも、担当者から渡す内容は異なります。次はV01の引継ぎ文面の例です。

担当 次の担当へ渡す内容
営業 「採用商談はD01、契約はC01。D02は終了し、新しい提案は止めています」
整備 「作業完了はM01に記録しています」
経理 「契約金額の全額をP01で照合済みです」
書類担当 「不足資料の受領待ちです。依頼先と次回確認日を記録し、納車は保留します」

全額入金済みでも、書類待ちのV01は準備未完了で、納車は保留です。必要項目がすべて完了、または理由付きで対象外と判断され、整備・登録に関する判断を担当者が行った後に、責任者が最終確認します。必要書類や整備の適否は、取引と車両に応じて担当者が判断します。

納車予定日は実績へ自動転記せず、実際の引渡し日時と確認者を別に記録します。店舗からの出庫と顧客への引渡しが異なる場合も、それぞれの事実を残します。

配布表は、既存の記録を手作業で照合するためのシートです。

照合シートをダウンロード(Excel)すると、記入例、空欄版、項目説明、商談・準備の明細が入っています。入力行を増やす場合は集計式などの範囲も見直します。

延期と取消はどう扱うか

V01の納車が9月20日から9月23日に延期されるだけなら、契約C01と売約状態は維持します。変更前後の予定日、理由、確認者、顧客への連絡結果を履歴に残し、外注作業や陸送の予約も担当者が見直します。未納車を理由に販売可能へ戻してはいけません。この延期は表1の基準時点より後を想定した別の説明例です。

一方、売約を取り消す場合は、営業責任者が契約上の取扱いと社内承認を決め、営業が顧客へ連絡します。整備担当は外注や進行中の作業を止められるか確認し、経理担当は費用・入金を照合して精算内容を確認します。車両状態と残作業を見直してから、新規提案の再開と掲載再開を別々に判断します。

「取消承認済み」「外注取消の確認待ち」「掲載再開の反映待ち」は異なる状態です。車両・商談・契約の番号を消さず、誰がいつ何を変更したかを残します。取消の入力後も、掲載先で再開したことを確かめます。

掲載サイトと会計へ渡す情報

車両・売約状態の更新の基準にする記録を一つ決めます。整備実績は整備側、入金実績は経理側など、項目ごとの確定担当も定めます。補助工程表はその内容を参照し、同じ売約状態を別々の判断で上書きしない運用にします。

掲載停止では「停止依頼日時」「送信・操作結果」「掲載先で確認した状態と日時」を分けます。V01は9月15日09:30に停止を依頼し、10:00の照合時点では反映前という想定です。反映待ちでも店内では提案不可を共有します。更新間隔は媒体・契約・接続方式ごとに調べ、許容時間を超えたら誰が手作業で見るかを決めます。

会計へは、車両ID・契約IDとともに、承認済みの金額、入金記録、取消・訂正の識別情報など、合意した項目だけを渡します。送信成功と取込完了を分け、エラーや重複の照合先を決めます。売上計上日や処理方法は、会計側の判断に従います。

公式の「車両販売システム」には会計ソフトへのデータ出力、整備システムとの連動、自社ホームページへの在庫情報のアップロードが案内されています。任意の掲載サイトへの接続可否や反映速度は、接続先ごとに調べます。

専用販売管理と補助工程表の使い分け

次の比較は選び方の設計例です。専用販売管理と補助工程表は併用できます。まず既存の機能・設定で足りるかを確かめ、その後に不足する受渡しだけを補います。

比べる点 専用販売管理を中心にする 補助工程表を併用する
合う条件 車両・商談・契約・入金の標準機能が店舗ルールに合う 基準にする記録は既にあり、担当・書類待ち・外注待ちの共有だけが不足
管理する範囲 車両と販売記録の確定・履歴を集約 元の記録のIDを参照し、準備項目と根拠を補う
導入前に調べること 複数商談、同時更新の防止、出力項目、接続先と更新間隔 転記責任者、照合頻度、古い情報の表示、二重更新の防止

まず1台を、商談から引渡しまで追う

現在の表で、売約車を除くと納車待ちも見えなくなるのか、書類や外注の担当だけが見えないのかを切り分けてください。まずV01のような1件を、車両→商談→契約→準備→引渡しまで追い、欠ける記録を特定するところから始められます。

在庫数量と新しい注文に割り当てられる数量の違いは、在庫管理を作る前に|残数と注文に使える数の違いでも整理しています。

既製機能や補助表で不足が残る場合は、現在の台帳、売約の確定ルール、反映待ちの具体例をそろえて、車両・商談・納車の共有や広告・会計との接続を検討してください。

車以外でも状態が一品ずつ違う中古品は、査定額、買取額、補修費を個体番号で追えます(中古品の査定と個体在庫|買取・補修・原価の管理)。

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参考出典

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