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100枚回収して、納品は92枚。8枚は紛失?リネンの数量差をたどる方法

回収数と同日の納品数の差は、どこにあるのでしょうか。3日間の数量表で、顧客先、輸送中、洗い工程、仕上がりを同じ時点で見比べます。再洗い、廃棄、翌便への持ち越しをたどる記録例です。

リネンの回収100枚から仕上がり、再洗い、廃棄、納品92枚へ数量を追う図

リネンの回収・仕上がり・納品の数が合わないときは、得意先・品目・所有区分・単位・締め時刻をそろえ、顧客先、回収輸送、通常の仕掛、再洗い、仕上がり在庫、納品輸送の所在ごとの数量を同じ時刻でつなぎます。

たとえば「今日は100枚回収したのに、納品は92枚。8枚なくなったのだろうか」。この差だけでは、紛失とも、納品の誤りとも判断できません。前日に回収した品物を今日仕上げ、今日回収した品物は明日以降に届ける、といった時点のずれがあるためです。

そのうえで、期首数量に移動・追加投入・廃棄を反映した計算値と、数えた期末数量を照合すると、差が生じた場所を調べられます。

一つのホテルで使うタオルを、3日間追ってみます(想定例)。衛生品質や洗濯方法の適否は、この数量表から判断しません。

誰の品物を、どの時点で数えるか

自社所有のレンタル在庫では、「誰の所有物か」と「今どこにあるか」は別です。顧客先で使用中のタオルも、自社在庫の所在として記録します。一方、顧客所有の預かり品は自社品と分け、どの顧客へ何を返す必要があるかを記録します。同じ種類・枚数の別個体で代替できるか、廃棄や補充の承認が必要かは、契約を読み、顧客に聞いて決めてください。

顧客間で共通のレンタル品を使う場合は、所有者別の全体在庫と、顧客別の受渡し・保有量を分けて管理します。工場で混ぜた後の品物を根拠なく特定顧客の在庫へ割り当ててはいけません。本例は一顧客に割り当てた自社品だけを対象にし、他顧客との混在・振替はありません。

フクイリネンサプライ株式会社の「iLincs」紹介では、回収時の計数に時間をかけにくいこと、二重カウントやカウント漏れ、顧客を同時刻に数えにくいことを開発背景に挙げています。同社の開発背景として参照し、業界全体の発生率へ広げません。

締め時刻を18時と決めるなら、回収済みでも工場未受入の分は「回収輸送」に残します。工場を出ても顧客の受領前なら「納品輸送」です。実際の計数時刻が異なる場合は、その時刻から18時までの移動記録で補正し、補正前の数と時刻も保存します。数えていない所在をゼロで埋めないことが出発点です。

回収100枚と納品92枚の差を追う

同じ受入対象100枚を、9月10日18時時点で「当日仕上がり90枚・再洗い中8枚・廃棄2枚」に分けたとします。100=90+8+2なので、この処理内訳に不明な数量はありません。再洗い8枚を通常の仕掛にも残すと二重計上になります。破損品も、再洗い・保留・廃棄のどの状態に置くかを決め、同時に複数へ入れません。

廃棄は、数量・理由・承認者・確定日時を記録し、単なる「在庫調整」で隠しません。廃棄確定後の品物を処分待ちで保管する場合も、循環させる在庫とは別枠です。再洗いが終われば、再洗いを減らして仕上がり在庫へ移します。「仕上がり」は業務上の完了記録として扱います。

Aホテルのタオルを3日間追う

対象はAホテル専用のフェイスタオルで、自社が所有するレンタル品です。単位は枚、各日は前日18時から当日18時まで。2026年9月9日18時の期首は、顧客先200枚と通常仕掛100枚の合計300枚です。この仕掛100枚は回収便R0909の分であり、9月10日の回収100枚とは別です。すべての期末数量を確認できたと仮定します。

9月10日はR0909の100枚から90枚が仕上がり、8枚を再洗い、2枚を廃棄します。別に新品2枚を仕上がり在庫へ追加して92枚を納品し、予定100枚に対する未納品8枚を翌便へ残します。当日回収した100枚は、期末の通常仕掛です。

翌日は、その再洗い8枚を前日不足分として納めます。3日間を並べると、回収・工場受入・顧客受領のずれを追えます。

数量(枚) 9/10 9/11 9/12
回収/工場受入 100/100 80/70 120/130
当日仕上がり(再洗い完了を含む) 90 108 70
追加投入/廃棄 2/2 0/0 0/0
出荷/納品(受領) 92/92 108/108 70/60
期末:顧客先 192 220 160
期末:回収輸送 0 10 0
期末:通常仕掛/再洗い 100/8 70/0 130/0
期末:仕上がり在庫/納品輸送 0/0 0/0 0/10
期末:循環在庫合計 300 300 300
確認数量-計算数量(全体) 0 0 0

9月11日は通常仕掛100枚と再洗い8枚が仕上がります。当日分100枚と、前日不足分8枚を別の納品として記録し、受領を確かめます。回収80枚のうち工場受入は70枚なので、10枚は回収輸送に残ります。9月12日はこの10枚と当日回収120枚を受け入れます。出荷70枚のうち受領済みは60枚のため、残る10枚は納品輸送です。

たとえば9月12日の通常仕掛は、期首70+受入130-仕上がり70=期末130枚です。顧客先は220-回収120+受領60=160枚。全体は期首300+追加0-廃棄0=300枚となり、場所別の合計とも一致します。ここで、納品輸送中の10枚を誤って顧客の受領済みにした場合を考えます。これは記入例とは別の誤記の例です。顧客先が170枚、通常仕掛が130枚、納品輸送が0枚となり、全体は同じ300枚。それでも顧客先は10枚多く、輸送中は10枚少ない記録です。全体合計に加え、受領票と各場所の数量を確認する理由がここにあります。

顧客先・輸送・洗濯中・再洗い・仕上がりの数量を照合し、不一致は直前の受渡しへ戻る。再洗い8枚の翌便受領と納品輸送10枚を区別する架空例。

図1 所在の移動と、不一致のときに戻る記録(架空例)。

翌便への持ち越しと、締め後の訂正

回収便番号と納品便番号は別の欄に持ちます。さらに工場受入記録、処理ロット、出荷明細、顧客受領記録をつなぎ、数量の発生日時と入力日時を分けます。一つの回収を複数日に受け入れる場合は、元の回収便と分割明細を残してください。予定便への積込だけでは受領済みにしません。

本例のD0911Bは「前日不足分8枚」と記し、D0910の未納品残へ結び付けます。再洗い8枚が仕上がった時点では、顧客の未納品残はまだ減りません。顧客が8枚を受領した記録で消し込みます。未納品残は予定に対する数量であり、現物の在庫とは別の指標です。

締め後訂正も履歴を残します。たとえばD0910の受領数量を90枚で入力し、翌11日8時に「補充分2枚の入力漏れ」と分かった場合は、90→92枚、訂正者、承認者、訂正理由、元の受領票を保存します。本文と記入例の92枚は、訂正後の受領数量です。実際の受領は10日なので、11日の新たな納品2枚として足しません。旧版を残し、影響する期末・翌日期首・未納品残を再計算します。

タグなしなら、顧客札付きの袋・かごと便別明細を使い、未計数と計数済みを分けて、差が出た受渡しを双方で数え直します。異なる顧客の品物が混在した疑いがあれば、所有区分や元の受入記録で分かるまで判定を保留します。推測した顧客へ数量を付け替えて差を消すことはしません。

枚数が合うことと、同じ品物が戻ること

枚数だけで回収10枚・納品10枚がそろっても、同じ10個体が戻った証拠にはなりません。QRコードやバーコードも、品目番号だけを載せるのか、一枚ごとに異なる個体IDを載せるのかで分かる範囲が変わります。袋の番号で分かるのは袋そのものです。中身を一枚ずつ識別するには、個体ごとのIDが必要です。

記録方法 取得する情報・条件 照合時に残る作業と負担
枚数入力・タグなし 得意先・品目・所有区分・便ごとの数量 数える作業が必要。受渡し双方の数、袋・かごの内訳を照合。個体の同一性は不明。
QR/バーコード 個体IDを付け、各工程でコードを取得する運用 ラベルの維持と読取作業が必要。未取得ID、重複登録、別品目の混入を調べる。
RFID 個体IDと読取地点・時刻を記録する運用 タグ・機器・読取範囲の検証が必要。未読ID、対象外ID、同じ受渡しの二重計上を調べる。

RFIDは無線でICチップの情報を取得する方式です。GS1 Japan「EPC/RFID(電子タグ)」で仕組みを説明しています。iLincsはRFIDとQRコードへの対応を公表しています。製品ごとの読み取り精度や効果は、実際の品物と運用で確かめます。

読取回数をそのまま枚数にせず、「同じ受渡しID内の個体IDの重複」を除き、期待するIDと突き合わせます。同じ個体の翌日の正当な移動まで消さない設計も必要です。枚数がそろっていても対象外IDと未読IDが相殺していないかを見て、不一致は再読取・現物確認に戻します。RFIDを付けるだけで読取漏れや二重計上がなくなるとは扱いません。

一品目・一顧客から試す

最初はタオル一品目、一顧客に絞り、期首の所在と数を数えます。照合シートには日中の移動量と各場所の期末確認数量を別々に入力し、数えていない所在は空欄、移動なしは0とします。計算結果だけで期末確認欄を埋めると、現物との差異を調べられません。

数量照合シート(Excel)には空欄版、3日間の記入例、記録明細、訂正履歴、項目説明を収録しています。まず既存の回収票・工場記録・納品受領票を照合し、差異が残る地点を特定してください。納品回数が多い、共通在庫が混ざる、といった条件を増やすのは、その後です。

タグ投資は別に判断します。枚数だけで足りるか、個体の追跡が必要かを決め、取付・読取・例外対応の作業と費用を比較します。候補機器は実際の品物、容器、設置場所、運用手順で試し、未読・対象外読取・再処理を記録します。数量をそろえるためにRFIDが必須という結論にはなりません。

既存の伝票やツールを残しても工程間の転記や締め後訂正を追えない場合は、その記録のつながりを相談対象にできます。NeoLogicの「クリーニング・リネンの受付・回収・納品管理」では、契約先別の回収・仕上げ・再納品の記録を案内しています。機器接続はタグ・読取機・出力形式を調べて判断します。

客室へ戻ったリネンを使って清掃する業務では、清掃完了と案内できる状態を分ける連絡も役立ちます(客室清掃と予約をつなぐ|案内できる部屋の共有方法)。

回収・仕上がり・納品の記録について相談

参考出典

出典確認日:2026年9月15日。

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